光明 3


(3)
「そう 碁の神様。私は坊主だから神様に値するのは仏ですな。
仏は この世のあらゆる物を『ほとく』から『ほとけ』。
全ての事を紐解くから『ほとけ』と言う。
君もあらゆる碁の神髄を極め、全てを『ほとく』のを求めている。
なかなか道は険しいのう アキラ君。」

物心つく頃にはすでにアキラは碁を打っていた。
最善の一手の追求・・・それが神の一手に繋がると志を持ち
碁と共に生きてきた。
だが 僧侶の言葉に打つ手が止まった。

次第に辺りが暗くなり夜の訪れと同時に雪が降り始めた。
・・・碁の神様か。そんなふうに考えたことはなかった・・・。
アキラは碁石を碁笥に戻した。
だんだんと冷え込みが激しくなったのか 碁石の冷たさが指先に凍みた。
雪は止む気配が一向になく降り続き、静かに庭を白に染めていく。



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