無題 第2部 3
(3)
目覚めると、べっとりと汗をかいていた。
身体のあちこちが痛い。畳の上に直接寝ていたためだろうと、アキラは思った。
起き上がろうとすると、激しい頭痛がし、息が切れる。
多分、発熱しているのだろうと、アキラは感じた。
ノドが焼けるように渇いている。
衣服が汗で身体にまとわりついて気持ちが悪い。
それでも、幾分寝たためか、昨日よりは動けるようになっていた。
ふらつく足取りで台所へ向かい、買っておいたペットボトルのお茶を飲む。コップに注いだ一杯を
一気に飲み干し、大きく息をついた。
― お母さんはこういうのは好きじゃなかったけど、買っておいてよかったな。
自分でお茶を煎れるだけの気力はなかったし、水道の水は不味い。もしかしたらスポーツドリンクの
ようなものが良いのかもしれないが、それは買い置きはなかった。
何かを胃に入れなければ、と思い、何かすぐに食べられそうなものを探してあたりを見回した。
飲み物とコップ、それと果物をいくつか選び、お盆に載せて、アキラは自室に戻った。
熱のせいか、あまり味を感じなかった。りんご1個を食べきるのがやっとでそれ以上は食べたくない。
それから薬を飲み下し、今度はちゃんと布団を敷いて、夜着に着替えて、床についた。
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