少年王アキラ? 3


(3)
 少年王はガバリと身を起こして、そこでようやくベッドの下に転がっている座
間を発見する。レェスのハンケチを握り締めて、座間は白目を剥いて倒れていた。
「なんだ座間、寝ちゃったのか…」
 いつもならすぐに処刑室に連れて行くところだったが、少年王はその判断を下
さずに、枕の下から抜き出していた護身用の鞭を元に戻した。
「今日は気分がいいから、恩赦にしてあげるね」
 大理石の床は固くて冷たいと思うけど、好きで寝てるんだしそのまま寝かせて
あげよう。――こんな優しいボクを、レッドはどう思うだろうか。
 この国を統べる少年王は、こんなところで懐の大きな所をアピールする。
 だが、恐らく座間は今回も放置プレイを望んではいなかった。
 廊下に出て口笛を吹くと、全速力でハマグリゴイシが現われる。馬と言えども、
少しでも王の意に添わぬことがあれば折檻されてしまうので必死だった。
「ハマグリゴイシ、オガタンの部屋へ」
 凛とした声で命じると、ハマグリゴイシは速足で歩き出す。ハマグリゴイシの
筋肉が揺れるたびに、剥き出しのピンクがピタピタとハマグリゴイシの背中を叩
いた。

 オガタンの部屋の扉をハマグリゴイシに蹴破らせると、パソコンを真剣な表情
で見入っていたオガタンがガタッと立ち上がった。
「オガタン、キッスの秘技を教えてくれ」



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