嘆きの少年王 3
(3)
「どうなさったのです、アキラ王。」
その時、王の主治医オガタンが、白衣の裾をひるがえらせて部屋に入ってきた。
そして悲嘆にくれるアキラ王を見て、慌ててそのそばに駆け寄った。
「どうなさいました?お具合が悪いのですか?」
そしてアキラ王の額に手をやった。
「お熱はないようですが…ああ、じっとしてください。」
そしてアキラ王の上着の前をあけ、白い胸元に聴診器を当てようとした。
「違う、違うんだ、オガタン、」
アキラ王は慌ててオガタンを跳ね除け、上着の前を抑えた。
「違うんだ、具合が悪いわけじゃない。ただ…」
「ただ…どうなさったんです?」
アキラ王は少し甘えるようにオガタンの目を見て、言った。
「ただ、ちょっと寂しくなっちゃっただけなんだ。
もうずっとボクはジャムプから放置されてて、豪華夏色ポスターの撮影にも
呼んでもらえなくて…」
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