嘆きの少年王・訂正編 3
(3)
「お呼び頂きましたでしょうか、アキラ王。」
次の間に控えていた執事がいそいそと王の前に現われ、恭しくひざまずいた。
「ボク宛の郵便物を、おまえはどうしたのだ!」
「王宛の郵便物でございましたら、ちゃんとわたくしめが、差出人その他を確認の上、
十分な効果が出るまで、控の間に放置、しておきましたが?」
アキラ王の目が怒りに燃え上がる。
「放置、だと!?ふざけるなっ!!」
ガタッと大きな音を立てて、アキラ王が執事に詰め寄った。
「その中に、ジャムプ偏執部からの報せはなかったか!?
このボクが撮影すっぽかしなど、おまえはボクの顔に泥を塗るつもりだったのか?」
怒りのあまり、アキラ王は座間執事に向かって手を振り上げた。
平手を食らわそうとしたアキラ王は、だが、うっとりとした表情でそれを待ち構えている執事を
見て、なんとか震えながらも手を止めた。そして、振り返って、言った。
「済まない、レッド。」
そして呆れ顔のレッドに向かって真摯に頭を下げた。
「どうやら偏執部からの報せは届いていたにも関わらず、ボクには伝わっていなかったようだ。
ちゃんと確認しなかったボクのミスだ。今から急いで行く。5分だけ、待ってくれ。」
そう行って、身支度を整えるために奥の間へ向かった。
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