pocket-sized Xmas 3
(3)
「・・・どうかしたんですか?」
急に布団や家具を引っ繰り返して必死でちさーいアキラたんを探し始めた俺に、
普通サイズの綺麗なアキラたんが首を傾げた。
見る者を惹きつけずにはおかない魅力的なネコ目。普通に喋ってるだけで色っぽい声。
毛布の影から、片っぽ靴下の美脚が俺を誘っている。
さっき少しだけ見えたお宝がクリスマスのイルミネーションみたいに頭をチラつく。
だが今はハァハァしてられる場合じゃなかった。
「ごめんよアキラたん、ちょっと待っててくれるかな。今お茶でも出すから・・・
でもその前に、あれ?あれっ?アキラたん、どこ行ったんだい出ておいで!
アキラた〜〜〜〜〜〜ん!!!」
布団の裏を覗いてティッシュ箱の中も確かめて、鞄の中も机の中も、
果てはゴミ箱の中まで探したがアキラたんはどこにもいない。
そんな。
ちさーいアキラたんとの生活が全部俺の妄想だったなんて、そんな・・・!
無意識に俺はパジャマの胸ポケットに手を当てていた。
いつもあの子はここに入ってて、俺の心臓の上で笑ったり拗ねたり泣いたりして、
その小さな温もりを、俺は今だってこんなにはっきり思い出すことが出来るのに。
心臓がバクバクして、体中の血が熱いんだか冷たいんだか分からないようになった。
それからとてつもない喪失感が静かに胸に迫ってきて、
じわじわと涙腺が緩んできた俺に普通サイズのアキラたんが優しく寄り添った。
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