性の目覚め・12才ヒカル 3


(3)
帰り道での当たり障りの無い会話のお陰で、ヒカルは家に帰り着く頃にはすっかり
さっきのことを忘れてしまっていた。
そしてそのことを思い出したのは就寝直前、明日の時間割を揃えている時だった。
「何だこれ?」
見慣れないもの。本屋の茶色い紙袋に入っている――感触からするに、どうやら
雑誌か何かのようだ。
――あ、ヒカル、それってもしかしてさっきの…?
「…あっ!『家に帰ってから見ろ』とかいってたやつか!すっかり忘れてたぜ」
逆さまにして一回振ると雑誌状のものがバサリと床に落ち、中の1ページを開いて
落ち着いた。
「…………!!?」
それを佐為と二人で覗き込み、その格好のまま固まってしまった。
いち早く自分を取り戻したのは佐為だった。ヒカルの視界をさえぎるように腕を
振り回して喚く。
「ヒカルっ!見ちゃ駄目ですーっ!駄目ですからね!!」
そんな佐為の慌てぶりに気が付いているのかいないのか、ヒカルはぼそりと呟いた。
「……すげー…。オレ、エロ本って初めて見た……」



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