heat capacity 3
(3)
「! ……進藤!」
進藤は僕の抗議の声を無視してしゃがみ込むと僕の昂ったそれに手を伸ばした。
濡れて光る舌で裏筋を舐め上げられる。
「……っく、…ぅ」
全身の神経がそこに集中する。
進藤は上目遣いに僕を見上げながら、丹念に舌を這わせ、細い指を彷徨わせた。ちろちろと覗く舌の淫らな動きが、否応無しに僕を昂らせる。
ふ、と。僕を見上げる進藤と目が合った。
すると────彼は、笑ったのだ。目を細めて、嬉しそうに。
僕は何故そう思ったのか、彼が自分を嘲笑ったように見えて、腹立ち紛れに彼の腕をとって、無理矢理立たせた。そして、彼を強く抱き竦め、まだ何の施しも与えていない秘門に乱暴に指を突き立てた。
「あぅ…っ……ン…ッ」
信じられない程あっさりと指を飲み込んだそこは、まるで散々嬲られた後のように熱を持って柔らかく収縮を繰り返した。
進藤は切なげに眉を顰めてきつく目を閉じていた。急に襲い掛かってきた刺激に震える身をじっと抑えるように。
動かしてもいない指をきゅっきゅっとある程度の規則性を持って締め付けるそこに、今度は僕の顔が綻んだ。後から思えば、妙に、残虐な気分になっていたと思う。
「進藤、どうして急に抱いて欲しいなんて言い出したんだ?」
進藤は、身体の中に突き刺さったままの小さな楔に、喘ぎ喘ぎ答える。
「だ…って、さっきの、対局……、や、しろ、との……すごく、面白くて、…楽しくて……オレ、…変、なんだけど…途中から、段々、気持ち良くなってきて、さぁ……、何度も、イキそうに、なった、から……」
進藤は、言いながら恍惚とした表情を浮かべていた。先程の対局を思い浮かべているのかも知れない。僕は、自分の中の熱のうねりが急激に大きくなるのを感じた。
いつもなら絶対にしなかっただろうに、僕は進藤の中に収めていた指を引き抜くと、自分自身をあてがい、怯える進藤を無視して腰を進めた。
「…っあ、ぅ、あぁっ……!」
流石にキツイ。いつも、挿入前に一度進藤をイかせておいて、出来る限り神経が快楽を優先させやすいようにしていたし、殆ど愛撫も与えずに挿入した事など今まで一度も無かった。
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