heat capacity2 3


(3)
「……っ、……ん、ぁ……」
身体の中にあるモノが熱い。腹の中が煮えたぎってるみたいだ。
俺の腰が砕けた状態になると、今度は塔矢が下から突き上げてきた。
俺は声を抑えようともしないで、与えられるもの全部を飲み込んで感じた。
後ろに倒れそうになると、塔矢は俺の腕を掴んで引き寄せる。
俺はその力に任せたまま、あいつの上に倒れ込んだ。
全身の体重を預けていると、まるであいつが全ての主導権を握っているように感じられ
て、それが癪だったから、胸に手をついて身体を少しでも起こそうと思った。けれど、
肱が震えて駄目だった。
悔し紛れに、肩に爪を立てる。
そして、離す事の出来ない上半身を逆に密着させ、腰の動きに合わせて擦りあわせた。
「…ン……うん…っ」
仕掛けている側である俺の身体が熱く疼くのは少し厄介だったけど、感じているのは塔
矢だって同じだ。
完全に崩れてしまいそうな腕を必死に支えて、何度も何度も胸を擦り合わせる。
暫くすると俺の下にいる塔矢の乳首が俺の思惑通りに固く痼ってきた。
髪に掛かる熱い息も少し荒くなって、時に掠れた声が混じっている。
あいつもまた切羽詰まった状態になっているのかもしれない。
そう思うとすこしだけ胸がすいた。



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