守って!イゴレンジャー 3
(3)
「こっち来るな、向こうに行けってば!」
身の危険を感じたヒカルは必死にアキラを牽制する。
「つれないね、マイハニー…キミのそういう勝ち逃げしっぱなしなところが
たまらなく刺激的なんだ」
白タイツ姿のアキラは赤いマントを翻し、悠然と馬を下りた。
頭上に輝く本カヤの王冠には、目に優しい緑の碁石がアタリの形にはめ込まれている。
知る人ぞ知る─それこそが帝國を支配する少年王の証なのだ。
「今日からキミはボクのものだ…何も心配しなくていいよ、
カラダ一つでボクの胸に飛び込んでおいで!」
「オッケーわかった…なんて、ほいほい行けるかよ!」
「全身真っ赤になって…照れてるんだね」
「…まだ変身解いてねーよ…」
「アッ、アイツ、レッドを手篭めにしようとしてるぞ!
少年帝王だからっていい気になりやがって。とことんムカツクヤローだ」
ヒカルのピンチに気付いた和谷が、ここぞとばかりに思いっきり毒づく。
「でも帝王だよ。あの王冠があれば、全国の公共施設を最大40%割引で
利用できるって噂だよ…いくら払えばなれるんだろう…」
金で何とかなるものならと越智の眼鏡が光る。
「おじいちゃんに頼んでみようかな」
「怖い考えはやめろ、イエロー。ブルーもいいかげん立ち直ってくれよ」
「…オレはもうダメだ…中国で修行してくる…」
「ちょっと、そんなのはレッドを救出してからでもいいでしょ?」
「おいおい、勝負の最中に仲間割れか?─お子様はこれだから困る」
勝利を確信したオガタンは、2本目の煙草に手を伸ばした。
「フッ、他愛もない。オレのビッグマグナムを披露するまでもなかったな」
「ご苦労でした、オガタン星人。あなたのおかげで無事、
愛するレッドを手中に収めることができました」
「アキラ君も物好きだな。そんな青臭いガキのどこがいいんだか」
「たまには…小さいのもいいかなって」
アキラはニッコリ笑ってヒカルに向き直ると、その顎に手をかけた。
「…ハッ!キミはまだ変身を解いてないな?」
「さっきからそう言ってるじゃねェか…」
無敵の少年帝王に天然疑惑?
もうすこし続くよ!!好手戦隊・イゴレンジャー!!
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