恋 Part 4 3
(3)
滑稽だと思う。
前戯の最中じゃないんだ。事の真っ最中なんだよ。
射精の瞬間を待ち侘びている僕のペニスは、恋人の熱い肉に包まれているんだ。
今やるべきことなんて、一つしかないはずだ。
本能に従い、ただ動くだけで、僕は簡単に快楽を味わうことができる。
なのに、それに溺れることができない。
いつから……、僕はこんなにも冷静に、恋人を観察するようになってしまったのだろう。
* * * * *
進藤と初めてセックスしたとき、僕は間違いなく幸せだった。
願いが叶ったと思ったから。
恋が叶ったと信じたから。
僕は昔からずっと進藤が好きで、その気持は進藤と共有できるものと信じていた。
でも、いつからだろう。
僕と彼の気持に、わずかではあったけれど、見逃すことのできないズレが存在することに気づいてしまった。
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