身代わり 3


(3)
《ほらヒカル、先端のここを指の腹で押さえてごらんなさい》
すでに精液を流し始めているそこを、ヒカルは言われたとおりに愛撫する。
「くふぁ……っ」
快感がヒカルの身体につぎつぎと襲ってくる。
《私の動きに合わせて……》
佐為の濡れた声が頭のなかで響いた。
ヒカルは目をつぶりそうになるのをこらえて、佐為の手の動きを必死になって追った。
ひっきりなしに掠れた声が口から漏れる。ヒカルは変声期を迎えており、昔に比べてかなり
低くなっている。だが艶めかしさはいっそう増したように佐為は思えた。
ヒカルは将来、まぶしいくらいの若者になると佐為は確信している。
そしてそのヒカルの一番近くにいるのは、他ならぬ自分だ。
《ヒカル、手を……》
シャツを上げるよう示唆する。ヒカルがまくりあげると、とがった乳首が見えた。
きれいな薄桃色をしたそれを佐為は咥えた。
舌でそっと舐め上げる。ヒカルの味を感じることができないのがたまらなく残念だった。
ヒカルに見せ付けるように、佐為は何度もそこを己の舌と唇でねぶった。
「や、ぁぁっ、オレ……さ、いっ……もっ」
視覚だけでも刺激的で、性に関してまだまだ幼いヒカルはさらに煽られた。
手のなかのペニスはもうじゅうぶん膨らみきっていた。佐為はそれを解放すべく、軽い音をたてて、くちづけた。ヒカルにとって触感など問題ではなかった。
「ぉ……うん、くっぅ、んん!」
ヒカルは吐精した。指の隙間から精液があふれ、床にこぼれおちた。
薄い陰毛だけでなく、その奥の秘門までが濡れてしっとりとしている。
だがそれらをぬぐう気力もなく、ヒカルはベッドに倒れこんだ。
せわしなく息をついていると、佐為がおおいかぶさってきた。その重みは感じられない。
それが少し淋しかった。



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