弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 3


(3)
門脇が顔をそちらに向けながら、そっと視線だけでヒカルの方を見ると、ヒカルも
夜目に分かるほど頬を火照らして、身体を硬直させていた。
「う…ン……、ハァッ……、ハァッ……、ぅあん……」
芝生が、潰されるようなガサガサする音。それどころか、男が女のそこに尻を
打ち付ける音まで聞こえてきた。
人気のない公園内で、いやにハッキリ聞こえる情交の気配に立ち尽くすヒカルを
横にして、門脇の心の中に、ふとした悪戯心がおこったのはその時だ。
「見に行ってみようか?」
ヒカルの横顔に口を近づけ、挑戦するように、小さく耳打ちした。
「え……」
明らかな狼狽の様子を見せるヒカルが、門脇には面白い。大学の新勧コンパの後で、
新入生を初めてのぞき部屋に連れていった時みたいだ。そして、こういう時に
「いや、いいです」と断る馬鹿もいないのだ。
ヒカルも、恥ずかしさに頬を赤らめているくせに、小さく首を縦に振った。
「静かに、静かに」
低い声で言い、人差指を一本、唇の前に立てながら、門脇は植え込み沿いにヒカルを
誘導する。
女の声はますます高くなる。
(俺だったら、こんなとこでTPOも考えずにこんなあられもない声を出す女なんて
 ゴメンだな)
と、考えながら、門脇は植え込みの影にしゃがんで耳を澄ます。
男の荒い息遣いまでもが鮮明だ。
「お〜〜、臨場感、たっぷりじゃん」
ニヤニヤ笑いながらヒカルを見ると、ヒカルも門脇の傍に腰を落として、恥ずかし
がりながらも興味津々といった目をしながら、耳をそばだてている。
男が体位を変えたのか、植え込みの上から女の白い足先がはみ出して見えた。
その足先には中途半端にストッキングが履かれたままだ。
門脇もヒカルも、その光景に同時に唾を飲み込んでいた。



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