初めての体験 Aside 番外・ホワイトデー 3
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そして、バレンタインデー当日……ボクの予想通り、進藤は喜んでくれた。そして、その
おかげでボク自身も充実した夜を過ごすことができた。不思議なことに、あれほどチョコは
もう食べたくないと思っていたのに、進藤のチョコレートは全部食べてしまった。味も形も
最低なのにすごくおいしく感じたのは何故だろう。これは絶対愛のなせる技だと確信している。
「さあ、これで完成だ。」
最後にアイシングでメッセージを書き入れた。今回は、チョコレートケーキに挑戦したのだ。
前回が入門編だとすると、今回は中級編くらいだろうか。
それにしても、自分の才能が怖い。ボクは頭もいいし、顔もいい、碁の実力は言うまでもない。
その上、料理までできるとは………。完璧だ。強いて欠点を上げるとすれば、性格がコレな
ことと、服装がアレなことだろう。だけど、これだけはあえて言わせてくれ。服はお母さんの趣味だ!!
ボクは着るものには頓着しない。つーか、ボクの外見で、進藤のようなストリート系は
激しく浮くだろう。アレくらいジジむさい服装でちょうどいいのだ。言ってて少し悲しいけど………。
とりあえず、ケーキはできあがったものの、進藤との約束の時間まで後一時間しかない。
その間に、部屋の掃除をして、お茶の用意をしなければ………それから、風呂の掃除と
そうそう、シーツも替えておかなくちゃね。夕食は外ですませよう。
ああ〜早く進藤来ないかな(はぁと)
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