魔境初?トーマスが報われている小説(タイトル無し) 3
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触りあいをしたとき、もちろん和谷のだって触った。服越しだったから見てはいないけど、大きかったような気がする。
少なくても俺のより大きい感触で、密かに傷ついた。俺だって、そんなに小さくないつもりだったのに。
あんなのが入るなんて、とても思えない。
熱さましの座薬だって抵抗あるのに。それが、このサイズだよ?
思わず握ったときのことを思い出して手で輪っかを作ってしまった。だから、なにやってんだよ俺。
「やっぱさぁ……俺に挿れたいんだよね、きっと」
なんとなくそんな感じがする。
セックスはしたことないとはいえ、キスでも触りあいっこでも主導権をとっていたのは和谷。
されるほうが気持ちイイから俺は疑問もなく受身でいたけど、大変な問題だったかもしれない。
この役割をひっくり返すのは、かなり至難の業のように思える。
じゃ、俺も挿れたいのかな?
裏返しの問いをかえしてみた。わからない。
俺だって男だし、自慰っぽいこともそれなりにしてるけど。
あんまり想像とか、したことない。ただ気持ちよくなるまで自分で扱いて、少しの罪悪感をティッシュに丸めて捨てるだけ。
別に「挿れる」ってことにこだわってるわけじゃない。ただ、痛いのは勘弁して欲しい。
「やめやめ! どうにかなるって!!」
考えれば考えるほど、深みにはまっていってしまう。
だいたい俺って、考えすぎるとろくなことないんだよな。ぐだぐだ悩んでる暇があったら、さっさと行動だ。
そう自分に言い聞かせて、浴槽を出た。
バスタオルで水気を拭く手がかすかに震えていたのは、きっと湯冷めしたせいだ。
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