月明星稀 3


(3)
「…おまえに想われて平気でいる奴なんて、」
そんなヒカルにアキラは苦笑で応えた。
「…君が、それを言うとはね……」
「え?何て言った?」
「いや、なんでもない。」
突然、アキラは花がほころぶようにふわりと笑った。
「確かに酷く鈍感な人なのかもしれないな。
僕も……一度は告げたつもりでいたが、どうやら届いてはいなかったらしい。」
「だったら、もう一度言ってみたら?一度で伝わらなかったらもう一度言えばいいじゃないか。
届いてなかったとか言ってないで。どうして言わないんだ?」
「…なぜかな。」
言葉を切って、ふと、空を見つめた。
そのまま何も無い一点を見たまま、アキラは続けた。
「言ってしまって拒否されるのが怖いのかもしれない。
完全に否定されて、終わらせてしまうのが怖いからかもしれない。」
「でもさ、怖がってばかりじゃ、何も始まらないじゃないか。」
真っ直ぐなヒカルの物言いに、アキラは苦笑交じりに答える。
「君に片恋の何がわかると、言いたい気持ちが無くもないが、だが確かに君の言う事にも一理ある。」
そして、小さく付け足した。
「…それに、もうそろそろ潮時だ。」



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