ゲーム・マスター 3 - 4


(3)
翌朝、教室の空気は重かった。朝から体育の授業だったからでもある。それは昨日の事件
を皆に思い出させていた。
当のアキラは例のごとく準備のため、すでに着替えを終えて教室をあとにしていた。残さ
れたクラスメイトは皆寝不足そうな顔をしたり、悩みを抱えているような暗い表情をした
りして、何も言わずに黙々と着替える。
「昨日の塔矢、すごかったよな」
その沈黙に耐え切れなかった田中は口を開いた。
それに賛同するかのように皆一様にため息をつく。
「オレなんかさ、あの声のせいで眠れなかったんだぜ」
田中の友人鈴木は疲れた声で言った。
「っていうか、オレ…」
着替えもせずにずっと席に座っていたもう一人の友人佐藤は思わず席を立った。なにやら
ひどく思いつめた表情でいる。
「なんだよ、佐藤」
今まで見たこともない佐藤の悲痛な表情に、田中は心配そうに声をかけた。
「…やっちゃった。オレ、アイツで…塔矢で抜いた」
佐藤はそう言うと泣き出した。いくら淫靡な声を聞いたからって、男であるアキラをおか
ずにやらなければ気がすまなかった自分が悔しくて、佐藤は涙をとめることができない。
だがそんな佐藤を慰めるようにクラスメイトが集まる。男で抜いたとなれば、普通は疎遠
な態度を取るだろうが、佐藤の勇気ある告白にクラスメイトの反応は温かかった。
「佐藤泣くな。あれは塔矢が明らかに悪い。それに塔矢をおかずにしたのはおまえだけじ
ゃなさそうだぜ」
田中はそう言って慰めた。佐藤は恐る恐る顔を上げる。すると実はオレもと告白するもの
が出てきて、自分だけじゃない安心感から佐藤はまた涙を流した。
教室には今までにない連帯感が生まれた。クラスメイトたちは今、初めてお互いの絆を感
じている。


(4)
「しかし困ったよな」
鈴木はアキラの机へ行き、着替えを手に取った。
「ほら、塔矢ってあんな頭してんじゃん。初めて会ったとき、女って勘違いしたんだよな。
それにアイツ未だに声変わりしてねーし、囲碁ばっかやってるせいか女子より色白だしで、
あの声聞いてから本当は女じゃねーかって疑うようになっちゃってさ」
鈴木はアキラのズボンを手に取ると、天井に向かって投げて遊び始めた。
「塔矢が女だったらこんな風に悩む必要ないんだけどな〜」
その言葉に田中が口元をニヤリとさせた。
「もしかしたら女かもしれねーぞ」
クラスメイトは一斉に田中を見た。
「だってよく考えてみろよ。男がカンチョーされてあんな声出すか? それに男のくせに
おかっぱってのが変だし。オレはアイツのチ○ポを生で見るまで男だって信じねーぞ」
「信じねーっておまえ、塔矢が男なのは当然だろ」
鈴木は冷静に言い返した。だがどこかで自分も田中のように思っていることに気づく。
「オレ見たい。ていうかアイツのチ○ポ見て男だってはっきりさせないと、オレこのまま
じゃ何度もアイツで抜いちゃう気がする」
佐藤は決心したかのように田中を見た。
「そんじゃあさ、アイツの身体検査やらないか?」
田中の提案にクラスメイトは息をのんだ。
「塔矢は頭のきれるヤツだ。けどオレ達皆が協力すれば、アイツを裸にすることくらい簡
単だろ?」
田中は自分で言いながら興奮した。信じられないくらい胸がドキドキしている。
久しぶりに見つけた楽しいおもちゃに、少年らの興奮は止まらなかった。



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