昼下がりの遊戯 3 - 4
(3)
ヒカルは、最初それを無視しようと思った。
だが、今日は両親が出かけている。そう言えば、出かける前に母が、
何か荷物が届くとか言ってはいなかったか?
到達する寸前で行為をやめることは、ヒカルに苦痛を与えた。
よろよろと立ち上がり、服を身につけようとしたが、うまくいかない。
敏感になった体は、ホンの少し布がこすれるだけで、ヒカルを悶えさせた。
「あぁん…」
股間の膨らみを隠せるように、サイズの大きい丈の長いシャツを着た。
「やっぱ、わかっちゃうかな…?」
シャツを前に引っ張りながら、呟いた。
インターフォンは、その間も鳴り続けていた。
どうにか服をつけ、階下に降りていく。
「はぁ……んん……」
一歩、歩く度に吐息が漏れた。
ヒカルは、インターフォンを取り上げずに、直接、玄関のドアを開けた。
「あ…」
玄関の前に立つ人物は、ヒカルの予想とは違っていた。
ヒカルは、熱の籠もった潤んだ瞳でその相手を見つめた。
(4)
「とう…や…」
訪問者はアキラだった。
宅配業者とばかり思っていたのに…ヒカルは予想外の訪問者に狼狽する。
ヒカルは、先日アキラと会った時に今日は一人で留守番だから家で打たないか?
と誘っていた。結局、多忙なアキラは断らざるを得なかった訳なのだが
予定よりも仕事が早めに終わったアキラは律儀にもヒカルを尋ねて来たのだ。
「今から一局打たないか?…進藤、風邪でもひいたの?」
玄関から出て来たヒカルは息も荒く頬が紅潮していてとてもツラそうだった。
寝ていたのだったら悪かったとアキラは誤った。
そんなアキラの言葉を遠くで聞きながら、ヒカルはこの熱い体をどうしようかと
ぼんやり考えていた。
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