ほしいまま-欲儘- 3 - 6


(3)
オレは、迷わず、塔矢のそこに手を伸ばした。
火傷しそうに熱かった。それが欲しくて欲しくてたまらなかった。
自分の体の中にそれをおさめてしまいたかった。
だからオレはそれを食べてみた。
口の中に塔矢を感じた。
このままこれを飲み込んで、ひとつになれてしまえばいいのに。
体だけじゃない、心も何もかも、全部。全部。
塔矢が、体をねじって器用にその体勢から、オレのブリーフのなかに鼻をつっこみ、舌を侵入させ、
前の布をこじ開けて、口でやんわりとオレのそれをくわえ出した。
おれのそこが、熱いものにつつまれた。
塔矢だ。オレのが塔矢の中にいる。


(4)
オレ達は布団の上で、体を重ね合って、必死にお互いのものをしゃぶりあっていた。
夢中で闇雲に、塔矢のものを嘗めて刺激する。
相手が気持ち良くなってくれたらいいなんて、お奇麗な考えは露程も頭に
浮かばなかった。
ただひたすら、自分が欲しかっただけだ。塔矢を喰らい尽くしたいんだ。
これはオレのもんだと、病的な独占欲に駆られて、口の中の塔矢のモノを
味わい、舌で嬲り、時には歯を立てた。
その度に、塔矢の腰がびっくりしたように飛び上がった。
だけど、塔矢もオレにおんなじ事してるんだからおあいこだろ?


(5)
塔矢のを根元まで頬張るだけじゃ物足りなくなって、今度は
その根元の袋まで舌を伸ばして転がした。
オレの上の塔矢も、おんなじ事をしだしたのを感覚でかんじる。
碁だけじゃない、こいつはこんなところも負けず嫌いだ。
気がつけば、声をあげていた。
気持ちいい。塔矢もオレと同じ独占欲を感じてくれているのがわかるから。
塔矢はオレのもんだ。オレは塔矢のもんだ。
口からもれる声のせいで舌を使えなくなったので、手で塔矢のをこすりたてた。
ここで単にやめちまうのは、負けた気がするからいやだ。
塔矢の舌が、股のさらに奥までなめてきた。その先にあるのは、男同士のセックスで使う場所だ。
そこに塔矢が近づいただけで、塔矢を受け入れるのに慣れたそこが、期待にひくついているのが
わかって、自分でもあきれちまう。


(6)
塔矢の舌がそこに触れた。
電流がそこから頭のてっぺんまでつきぬけた感じがした。
ぬるりとして、柔らかいものが、オレのその穴のあたりを、這ったり、
圧迫したりする。
その刺激が、受け入れる場所に近ければちかいほど、もっと直接的な刺激が欲しくて
その先を期待して、大きな声をあげてしまう。
塔矢の馬鹿がオレの尻に歯を立てた。
痛いよ、馬鹿、本当に喰っちまう気かよ、いいけどな。
そうすりゃ、ずっといっしょにいられるな。
突然、オレの中に、何かが突き入れられた。
ペニスほど、熱くも太くもない。
指だ。塔矢の指が2本。オレの中に入ってきた。



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