平安幻想異聞録-異聞- 30


(30)
「佐為がしたいようにしてみてよ」
「ヒカル、何言ってるかわかってるんですか?」
「わかってるさ。佐為と寝るってことだろ」
「ヒカル!」
ヒカルは体を起こし、そのまま佐為の腕をひきよせて、その胸に顔をうずめた。
「佐為となら、そうなってみたい」
佐為はだまってヒカルの背中に手を回した。
しばらく躊躇したように黙っていた佐為が、口を開く。
「ヒカル、ひとつだけ言っておきますが、こういうことをしても
 私はあなたのことを稚児のように思っている訳ではありませんよ。
 ちゃんとあなたのことは、一人の武人として尊敬しているし…」
「もう!わかってるって!」
ヒカルは笑いだした。
「やっと、笑いましたね、ヒカル」
「そう?ずっと笑ってたよオレ」
「笑う真似してただけでしょう?」
「あ、ばれてた?」
「あたりまえです」
「佐為には隠し事ができないよなぁ。だから」
「だから?」
「大好き」



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