初めての体験 30
(30)
ヒカルは悔し涙にくれていた。思い出しても腹が立つ。いろんな男を手玉に取っていた
ヒカルだったが、いかがわしい男に拉致され、いいように弄ばれてしまったのだ。
棋院からの帰りに浚われて、廃ビルの中で犯されてしまった。下半身を裸に剥かれ、
犬のように這わされた。腰を押さえ付けられて、何の準備もしてないところを、
思い切り貫かれたのだ。
ものすごく痛かった。
「痛ぁ────────い!」
男は優しさのかけらもないやり方で、ガンガンとヒカルを突き上げた。
「痛・・・痛い・・・やめてよ・・・ねぇ・・・」
ヒカルが涙声で訴えたが、男は無慈悲にもヒカルを責め続けた。
男が後ろの穴を出入りする度、グチュグチュといやらしい音がして、ヒカルの
羞恥心を煽った。体中がカッと熱くなった。
激しく突き上げていた男の動きが、一瞬止まった。
「うっ!」と低く呻いて、男がヒカルの中に熱いものを放った。
「う・・・うぇ・・うぅ・・・」
ヒカルが嗚咽を漏らした。『でも・・・これで帰してもらえる』犯されたことは
悔しくて悲しかったが、男が欲望を吐き出したことで、ヒカルは解放して
もらえると思った。
だが、男はヒカルの中から出ていかなかった。再び動き始めた男に、
ヒカルは哀願した。
「ねえ・・・ね・・・やめてよ・・・ねぇ・・・」
男がヒカルの中に放った体液のおかげか、最初ほど激しい痛みはなかった。
男の動きも、先ほどより余裕が出来たのか、ゆっくりとしている。
|