初めての体験+Aside 30
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さて、いよいよ寝ようかというときに、アキラがヒカルに言った。
「進藤、ボクの部屋で寝ようか?」
さっきのヒカルの様子からして、当然OKするものと社は思っていた。
だが、ヒカルは意外にも「イヤだ!」とアカンベをした。
「オレ、社とここで寝る!」
そう言って、さっさと布団を敷き始めた。アキラは予想外の返事に少し驚いたようだったが、
「仕方ないね」とあっさり引き下がった。
「じゃあ、二人ともおやすみ…」
アキラは自室へ帰った。
社はドキドキしていた。ヒカルと枕を並べて、一夜を過ごすのだ。
『どないしょう。オレ、今晩も寝られへんかもしれへん…』
黙っていると気詰まりで、社はヒカルに色々と話しかけた。ヒカルも機嫌よくそれに答えていたが、
昼間のことを持ち出した途端不機嫌になってしまった。ヒカルは、社を無視して、背中を
向けた。
『聞いたらアカンこと聞いてもたらしい…失敗や…』
溜息を吐いて、布団に潜り込んだ。
暫くして、ヒカルが社にすり寄ってきた。
「どないしたん?」
「社…オレとしない?」
思いがけない申し出に、心臓が止まりそうになった。
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