少年王アキラ 31
(31)
潤んだ瞳で少年王を見つめる可憐な執事を無視して、アキラ王は再び、新聞に目を落とした。
新聞を読み終えるとアキラ王は目を閉じて、天啓が降りるのを待った。
アキラ王は新聞に隅々まで目を通し、綿密なデータをその頭の中に叩き込んだ。
そうして、おおかたの予想を立てながらも、やはり最後に頼るのは己の勝負師としての
勘であった。
今まで、数々の伝説をうち立て、万馬券ハンターの異名を恣にしていたアキラ王の力の源は、
この恐ろしいほどの勘の良さであった。
「ムッ 決まった。」
アキラ王はカッと目を見開いて、サラサラと紙に番号を書いた。
それを側に控える座間へ飛ばした。
座間はその紙に目を通し、アキラ王に確認をとった。
書いてあるのは三つの番号。
「第一ゲート ヒカルノホマレ 」
アキラ王はニヤリと笑った。良い名だ…。愛するレッドの名前が入っている。
「第三ゲート リトルプリンスアキラ」
ふふ……ボクとレッドでワンツーフィニッシュ。
「第四ゲート きゅーてぃーざまごう」
!!!!!ウソだ――――――――――!
このまま、勘を信じるか、それとも…。
アキラ王苦渋の選択の時であった。
『やはり…簡単には万馬券はとれぬのか…』
アキラ王は、血が滲むほど強く唇を噛み締めた。
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