白と黒の宴2 31
(31)
緒方はアキラの背後に回ると煙草を持ったまま髪をすくい上げて首の後ろに自分の唇をそこに這わせた。
そのまま続けて首からアキラの肩にかけて吸い、後ろからアキラの体を抱き締める。
緒方の包容を受けながらふとアキラは社のある言葉を思い出してハッとなった。
『「あいつ」が言った通り、確かに進藤はやっかいな“障壁”や思おたで。』
「…緒方さん、…社に…会ったのですか?」
「…ああ、会ったよ。」
緒方はもう片方の手でアキラの胸と下腹部を弄りはじめていた。
「…緒方さんだったんですね。…社に…進藤に目を向けさせたのは。」
ふいに緒方の手が荒々しくアキラの顎を掴んで自分の方に向け、揺さぶった。
「自惚れるのもいいかげんにしろ。」
その緒方の言葉と態度にアキラは息を飲んだ。
「オレが進藤に嫉妬してそんな事をしたとでも?」
緒方の手がきつくアキラの陰茎を握り込んだ。
「うあっ…!!」
痛みにアキラが屈みかかる。
緒方は煙草を銜えて煙りを吸い込むと、そのまま無理矢理アキラの口を塞ぎ、喉の奥に吹き込む。
「かはあっ!」
苦々しい煙りに喉を刺激されてアキラが咳き込んだ。煙りにむせて潤んだ瞳で緒方を睨み返す。
「…ボクは…進藤を守ります…。」
そう言うアキラを銜え煙草で緒方は高々と抱え上げてベッドルームに運び、
ベッドの上に乱雑に投げ下ろした。
|