Shangri-La 32
(32)
正直、ヒカルは疲れていた。もう何も考えたくないと思うのに、
突然復旧した思考回路は、考えることをやめさせてはくれない。
このままアキラに身を預けたら、もうじき熱に浮かされ
何も考えられなくなるだろう。
―――早く、楽になりたい……。
(ヤりたかった訳じゃないけど、朝まで時間を潰すのも結構めんどいし
コイツわがまま言い出したら止めても絶対きかねぇし、
この分だと好きにしてそうだし、このまま相手した方が、ラクか…?
それに、このままにしてたらどうなるか、見てみたいし……)
先刻、半端に煽られたヒカルの熱が再燃するまで
さして時間はかからなかったが
タガが外れた思考は止まることなく廻り続け、
結局、ヒカルは熱を帯びた身体で思考の渦にさらされる事になった。
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