白と黒の宴2 33
(33)
ベッドが揺れて緒方が傍に来た。
両足首を掴まれてアキラの体は仰向けに引き延ばされた。
改めて緒方が自分の体を観察している視線を感じ、羽根をむしり取って吊るした獲物をどう
調理しようかと狩人に思案されているような恐怖感にアキラは身を固くした。
煙草の煙りの匂いが消えない。恐らく緒方は煙草を銜えたままなのだろう。
やがて緒方の指がゆっくりとアキラの身体の表面に触れて来た。
次に触れて来る箇所が分からず、ピリピリとした緊張感の中でアキラの触感が高まり、
もも、腹部、首筋と指が移動する度にゾクリと皮膚の表面を粟立たせた。
その緒方の指のすぐ近くに、ふわりとした熱を感じ、アキラはギクリとした。
緒方は火の点いた煙草を挟んだ指でアキラに触れているのだ。
その指と熱がアキラの胸の突起に差し掛かり身を強張らせた。
「…っ!」
肌に触れるか触れないかのところに煙草の火があるのをアキラは感じた。
まさか、直接押し付けるような事はしないだろうと信じたかったが、どうなるかわからなかった。
やがてその熱は下半身に移動し、ちりちりと音がして卵の白身が焼けるような匂いがした。
「や…っ!!」
僅かばかりに生え揃ってきたアキラの陰毛を緒方は煙草で焼いているのだ。
「…動くと火傷するぞ。」
緒方は煙草の火をアキラのペニスの根元周辺をゆっくり移動させていく。
柔らかで細くそれ程の量のないアキラの体毛はたちまち煙草の灰と共に黒く縮れ落ちていった。
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