ルームサービス 33 - 34


(33)
バスルームのあかりと薄い湯気の中、手が上下する。
掲げた右手の上から下へと、アキラの左手が滑り、ヒカルの体内に入り込むための潤滑剤を塗りつけている。
ヒカルの顔の前で、見せつけるように行われている作業。
ヒカルは、焦点のぼけた瞳でそれをみている。
しかし、眼のふちの赤みがだんだんと増している。

犬は何もしてない。ただ手持ち無沙汰だ。ヒカルに触れていいものか
どうかもわからない。ただ、存在している。傍観者として。

爪の先から指のまた、肘まで、十分に滑りが与えられた。
手袋は使用しないことになった。
アキラの素手がヒカルに入る。


(34)
アキラとヒカルの瞳が出会う。二人はしゃべらない。
ヒカルの静かな注視に先にアキラが眼を反らす。
バスルームの床にヒカルの体がアキラに押し倒される。
口づけが唇から首筋、鎖骨のくぼみへと繰り返される。人形のように受けていた
ヒカルだが、乳首を噛まれて肩を軽く震わせた。すかさず、アキラはわき腹を舌
でなであげる。ひくりとヒカルの肩が震えた。アキラの手が動きヒカルの中心で
動く、開いた唇からかすかなため息が漏れた。

犬は、手を出さないことにした。生き物が、体の上を動き回るオカッパの黒髪を
強くつかんでいるからだ。全身を動き回るオカッパの愛撫に瞬く間に生き物は乱
れていく。たちあがったものの先端を何度か音をたてて吸われた時に軽く唇を震
わせる様子がとてつもなくかわいらしかった。
だが、その顔の上にはオカッパの頭が多いかぶさり、犬の目から見えなくなる。
オカッパに全身をすりつけるようにされて生き物がせつなげに震える。
重なった足の内側に手をいれ、オカッパが生き物の両膝を立てさせる。曲げた足
の中心にオカッパの指がつきたてられる。



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