昼下がりの遊戯 33 - 34
(33)
アキラは、片方の手でヒカルの胸に色づく果実を転がしながら、
ヒカルの腸壁を直接なでさすっていた手をそこから抜いた。
「いや……、なんでっ!」
高められるだけ高められていたヒカルは、突然奪われてしまった
強い刺激に思わず抗議する。
「お楽しみは先延ばしにしたほうが、快楽も大きいんだよ」
そう、ヒカルの耳元でささやいた塔矢はヒカルの中から抜いた手で、
そっとバイブレーターののスイッチを入れた。
ヒカルの手の中のイチゴの形をしたものが、フルフルと震えだす。
アキラはそれを持つヒカルの手に自分の手をそえて、
ヒカルの乳首にそっと触れさせた。
「――っ!は、はん!」
背筋を突き抜けるように走った甘いしびれの強さに
ヒカル自身が驚いて、乳首に添えられたソレを放そうとしたが、
アキラはそれを許さなかった。
驚くほど強い力でヒカルの腕を押さえ込み、震えるイチゴの先端で、
乳首の先端ばかりでなく、周りも円を描くように刺激する。
悶えて、ヒカルの足が、シーツの海を泳いだ。
「やだっ、やだっ、塔矢ぁぁ……」
「気持ちいい?」
「い……い……」
たまらずにヒカルが答えた。
「そう、よかった」
アキラが悪魔の笑みを浮かべて、ヒカルの乳首をイチゴのおもちゃに
刺激させたまま、開いている手を脇にのばした。
戻ってきた手に握られていたのは、半月の形をしたバナナのおもちゃ。
「これも気に入ってくれるとうれしいんだけど」
そう言って、アキラはそれのスイッチを入れると、ウネウネと動き始めたそれを、
ヒカルの敏感になっているアナルの入り口に押し当てた。
(34)
「あぁぁぁ!」
衝撃にも似た快楽に、ヒカルは胸に押し付けていたイチゴを思わず
取り落としどうになったが、アキラの手がそれをしっかり押さえて許さない。
「ほら、しっかり持って」
そう言いながら、バナナの先端を、わずかにヒカルの中に入れる。
そしてそれで、入り口付近の粘膜をさぐる。
「あぁぁ、や、あぁっ、と、とおやぁぁ……」
中途半端な快楽の苦しさにかぼそい啼き声をあげるヒカルに、
塔矢がやさしげにささやきかける。
「進藤、苦しい?」
ヒカルが黙って頷いた。
「僕が欲しい?」
さらに大きく頷く。
「何でもする?」
もう一度頷く。
それを見て、アキラは天使の笑みを浮かべた。
ヒカルをここまで堕としてしまえば、あとは自分の言うがままなのを
経験上知っているからだ。
アキラは、上体をおこして、バナナのおもちゃを脇にほうり投げた。
「なんで……」
突然放りだされた形のヒカルは、半泣きになってアキラを見つめる。
アキラはいった。
「いっただろ。僕の夢の通りにしてって。僕の夢の中じゃ、君はそれを使って
自分でやってたんだよ。だから――」
――自分でイカなきゃだめだよ。
そう、微笑むアキラを見て、ヒカルはふと『天使の顔をした悪魔』という
言葉が頭に浮かんだ。
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