白と黒の宴2 34
(34)
「ククッ、なかなか面白い画だ。しばらくは他の奴の前で裸になれんな。」
そう言って緒方はアキラの股間に落ちた灰と焼けた毛を息で吹き、指で払った。
その合間にもグラスを呷り、新たに酒を注いでいるらしかった。
屈辱的な行為とせせら笑うような緒方の言葉にアキラは唇を噛んだ。
「…そんなに悔しいですか。ボクが他の男と寝たことが…」
ふいに、下腹部に何かを押し付けられ、アキラは悲鳴をあげ、身を仰け反らした。
「あ…、あ…っ!」
思い掛けない刺激に本当に煙草の火を押し付けられたかと思った。
だがそうではなく、押し付けられたのは氷の欠片だった。ぴりりとした冷たさを一瞬熱さと混同したのだ。
ホッとして息をついたものの、今度は緒方はその氷をアキラの体に這わせ始めた。
「あ、あ…、ん…んっ」
指とは違って冷たい刺激で敏感な箇所を責められ、アキラは身を捩りくぐもった声を漏らした。
特に乳首を念入りに攻撃され、あまりの冷たさに痛みを感じた。
そして緒方に唇を塞がれ、何か液体を飲み下させられた。
「ぐふっ!」
どういう種類のものかはわからなかったが相当アルコール度数の強い酒で、
瞬時に喉から鼻につんとくる刺激が込み上げ、アキラは激しく咽せた。
そのアキラの顎を捕らえ、二度三度そうして同様に飲まされた。
「う…ん…」
炎を飲まされたように体の内部が焼かれるような熱さを感じた。顔が火照り、意識が浮揚した。
|