誘惑 第三部 34


(34)
「じゃあ、和谷とはなんでなんだよ。」
そう問われると、アキラはぷいと顔を横にそむけた。
「ちょっとでもあいつに興味があったとか、好意があったとかじゃ、ないよな。むしろ逆だよな。」
「あれは、キミが悪いんだ。キミがボク以外の相手と仲良くなんかするからさ。」
「あてつけと嫌がらせでやれるなんて最低だぜ?」
「そうだよ。最低だよ。わかってるよ、そんな事。
どうして、今更、そんな話、蒸し返すんだ。」
「もう二度とそんな事させないためさ。決まってるだろ。」
ムッとした顔でヒカルを見ていたアキラは、突然、にやっと笑って、挑戦的にヒカルを見た。
「でもさ、キミが最初に言ったんだよ?
あいつと仲良くしろって、あいつに笑いかけてやれって。違う?」
ムカツク。何だってコイツはこんなにムカツクんだ。
「ああ、それに、そう言えば、この間、芦原さんとキスしちゃった。」
「塔矢、おまえ…」
「キミとの事で落ち込んでたときに芦原さんが飲みに連れてってくれて、
酔っ払って潰れかけて…つい。」
「つい、だってぇ…?」
「でも、さすがにキスだけだよ。それも触れるか触れないか、くらいの。冗談みたいなもんだよ。」
「おまえ…本当に節操無しだな…。」
「キミがいけないんだ。キミがボクを一人にしとくから。」
「塔矢、おまえいー加減に…」
「だからキミは、そんな事ができないように、ボクをずっと見張っていればいい。見張っててくれる?」
呆れる。
何を甘えた事を言ってるんだ、こいつは。



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