昼下がりの遊戯 34


(34)
「あぁぁぁ!」
衝撃にも似た快楽に、ヒカルは胸に押し付けていたイチゴを思わず
取り落としどうになったが、アキラの手がそれをしっかり押さえて許さない。
「ほら、しっかり持って」
そう言いながら、バナナの先端を、わずかにヒカルの中に入れる。
そしてそれで、入り口付近の粘膜をさぐる。
「あぁぁ、や、あぁっ、と、とおやぁぁ……」
中途半端な快楽の苦しさにかぼそい啼き声をあげるヒカルに、
塔矢がやさしげにささやきかける。
「進藤、苦しい?」
ヒカルが黙って頷いた。
「僕が欲しい?」
さらに大きく頷く。
「何でもする?」
もう一度頷く。
それを見て、アキラは天使の笑みを浮かべた。
ヒカルをここまで堕としてしまえば、あとは自分の言うがままなのを
経験上知っているからだ。
アキラは、上体をおこして、バナナのおもちゃを脇にほうり投げた。
「なんで……」
突然放りだされた形のヒカルは、半泣きになってアキラを見つめる。
アキラはいった。
「いっただろ。僕の夢の通りにしてって。僕の夢の中じゃ、君はそれを使って
自分でやってたんだよ。だから――」
――自分でイカなきゃだめだよ。
そう、微笑むアキラを見て、ヒカルはふと『天使の顔をした悪魔』という
言葉が頭に浮かんだ。



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