ルームサービス 34 - 35


(34)
アキラとヒカルの瞳が出会う。二人はしゃべらない。
ヒカルの静かな注視に先にアキラが眼を反らす。
バスルームの床にヒカルの体がアキラに押し倒される。
口づけが唇から首筋、鎖骨のくぼみへと繰り返される。人形のように受けていた
ヒカルだが、乳首を噛まれて肩を軽く震わせた。すかさず、アキラはわき腹を舌
でなであげる。ひくりとヒカルの肩が震えた。アキラの手が動きヒカルの中心で
動く、開いた唇からかすかなため息が漏れた。

犬は、手を出さないことにした。生き物が、体の上を動き回るオカッパの黒髪を
強くつかんでいるからだ。全身を動き回るオカッパの愛撫に瞬く間に生き物は乱
れていく。たちあがったものの先端を何度か音をたてて吸われた時に軽く唇を震
わせる様子がとてつもなくかわいらしかった。
だが、その顔の上にはオカッパの頭が多いかぶさり、犬の目から見えなくなる。
オカッパに全身をすりつけるようにされて生き物がせつなげに震える。
重なった足の内側に手をいれ、オカッパが生き物の両膝を立てさせる。曲げた足
の中心にオカッパの指がつきたてられる。


(35)
「つっ!」
アキラは自分の指を受け入れたヒカルの内部にわれを忘れた。長時間いじくられて
とろけそうに熟れた粘膜がアキラの指に反応して蠢く甘美さ。なるべく入り口近く
に負担をかけないように、アキラだけが知っている奥の場所を突く。
「あぅっうん」
素直にあがった声に安心し、さらに指をねじこむように動かす。
「…………っ」
唇は噛みしめられているが、震える肩が、髪の毛をつかむ指先がヒカルが感じて
いると伝えている。
指をふやし、ゆさぶるように奥を刺激すると、金色の前髪をふりみだし、たまら
ないあえぎ声でアキラにすがりついてくる。
……気が……狂いそうだ。
いつもそう思う、ヒカルが自分の体の下でこんなふうに頭を振り乱すなんてこと
があっていいのだろうか。
アキラが自分が瞬く間に興奮してゆくのがわかる。今すぐヒカルの暖かい体の中
に入って思うさまつきあげて果ててしまいたい。しかし。
「とう………や……もっと……」
髪の毛をつかむヒカルの手の力が増す。



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