白と黒の宴2 35
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するとそっと唇を吸われ、そのまま緒方の熱い吐息がアキラの首の上を動き、無防備に
曝された脇の下に行く。刺激に弱い部分舌を動かされてアキラの喉から甘く喘ぐ声が漏れる。
脇の下から胸へと舌は動いて、ひんやりと赤く濡れた突起を捕らえる。
氷によって冷えきった部分を今度は温められ、執拗に愛撫されてたまらずアキラは切なく
声をあげる。
「あ…、は…ア…」
酒によるものか、そうでないのか、アキラの中で激しく燃え上がってくるものがある。
乳首を吸いながら緒方は手をアキラの下腹部に伸ばし、アキラの気持ちを弄ぶように
アキラ自身を指の中で転がし、透明な雫にまみれた先端を指先で嬲る。
「緒方…さん…」
アキラの肉体は緒方を望んでいた。緒方自身に激しく貫かれたかった。
「…来て…」
吐息がかった掠れた声で、アキラは求めた。緒方の上半身が離れ、アキラの両足を開くとその間に
深く体を入れて来た。アキラは受け入れるため身構えた。
だがそこに押し込まれて来たのは、アキラが望んだ緒方の分身ではなかった。
「う、ああっ!!」
それは氷の塊だった。
どのくらいの大きさなのかは分からなかったが、ピリピリとした冷たさでアキラの火口を
焼き、押し広げていく。
「お、緒方さん…!」
緒方の指が届くだけ奥に、氷は収めれられた。
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