失着点・展界編 35


(35)
和谷が乗り移ったような伊角の視線に気押されるように、ヒカルは後ずさって
ベッドにもたれかかり、天井を見上げた。目を閉じ、フーッとため息をつく。
「…わかったよ…。約束する…。しばらく塔矢とは会わない。」
その言葉を聞いて伊角はホッとした表情になった。ふと伊角は、ヒカルの細い
首元に目を止めて顔を赤らめた。和谷の残した歯形を見つけたからだった。
「…そう言えば、進藤、お前ゆうべは緒方先生ンとこに泊まったのか?」
「え、あ、ああ。」
「…まさか進藤、緒方先生とも…!?」
「バッ…!違うよ!たまたまオレがフラフラしてた時先生が通りかかって…」
伊角が更に真っ赤になって頭を下げた。
「ス、スマン…。オレもなんか昨日から頭が混乱しているんだ…。長居をして
すまなかった。帰るよ。」
緒方と聞いて、ヒカルもある事を思いだした。
「…伊角さん、あ、あの、…ハンカチ、買って返すから…。」
伊角はキッとヒカルを見据えた。
「買わなくていい。返さなくていいんだ。忘れろ。少しでも早く…。」
伊角の気遣いが嬉しくてヒカルは笑んで頷いた。伊角はヒカルを見つめる。
「それから、進藤、…お前、もっと太れ。」
「…はあっ?」
「そんな細っこい体つきしているから、…その、和谷だって気迷いするんだ。
もっと食って体鍛えて、ごつくなれ。そうすれば和谷だって気が付く。」
「気が付くって…何に?」
「…お前ももっと自覚しろよ!!…じゃあな!!」
きょとんとしているヒカルを残して伊角は帰って行った。
「…伊角さん、最後何をあんなに怒っていたんだろ…。」



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