初めての体験 Asid 35 - 36


(35)
 ボクは、老人が達する本当に直前に、自分のものをそこから引き抜いた。老人が悲痛な
叫びを上げた。中途で行為を止められ、老人は尻を高く上げた不自然な体勢のまま、ボクを
恨めしげに見た。ボクは、引き抜いた自分のモノをお手拭きで丁寧に拭って、ズボンの
中へ仕舞った。老人は、絶望的な表情でジッとボクを見つめている。
「これはね、お仕置きです。だって、先生、最初素直じゃなかったでしょ?」
にこにこ笑って、残酷な宣告を下す。
「後の始末は自分でやってください。そこの座布団でもつかって。」
「上手くできたら、次は最後までする事を、考えて上げてもいいですよ。」
極上の笑顔を本因坊に向けた。老人はボクの表情に何を見たのか、次の瞬間、畳の上に
大きな染みをつくっていた。

 ボクは、本因坊をSだと思っていた。元からMだったのか、隠れていたM因子をボクが
引き出してしまったのかはわからない。老人が、あれほど昂ぶっていた理由も、
もしかしたら薬のせいではなく、自分の置かれた状況に酔っていただけかもしれない。
 だが、これだけは断言できる。本因坊は、これからはボクの言いなりになるはずだ!
でも…どうせ、奴隷を手に入れるならもっと若い方が良かった。まあ、囲碁界の重鎮だから、
何かと便利ではあるな。使う気はないが。


(36)
 『ありがとう!桑原先生!』ボクは、嫌々ながらも、取り敢えず心の中で礼を言った。
 先生のお陰でボクは、これからどんな相手でも臆せずやっていけそうです。けれども、先生の
なさったことを、ボクは一生許しません。でもまあ、手に入れた進藤のイメージだけは、大切に使わせていただきます。

 いつものように、ボクの隣で進藤がシステム手帳にメモ書きをしている。鬱陶しそうに、
時折前髪を掻き上げた。その度、奇麗な額がボクの目に入る。額も頬も、ニキビ一つない。
ゆで卵みたいだ。
 ボクは、進藤のすべすべした頬を撫でた。
「んん…くすぐったい…」
進藤が、クスクス笑って身を捻った。可愛い声が、耳をくすぐる。本因坊の前では、
どんな声で囀っていたんだろう。
「どしたんだよ?」
いつまでも頬を撫でるのをやめないボクを、進藤が不思議そうに覗き込んできた。この
艶やかな肌の上を、本因坊の皺だらけの手が這っていたのかと思うとつい……。
「あ…」
頬から、首筋、背骨に沿って指を這わせる。そのまま、更に下へ…。
「ふ…あ…」
服の上から、軽く撫でているだけなのに、進藤は目を閉じてボクにしがみついてきた。
可愛い。ボクは、その場に進藤を押し倒した。
「と…塔矢…?」
戸惑っている。しきりに視線を、隣の部屋の方に向けた。うん、わかってるよ。寝室は
向こうだ。ここは、ボクの家だからね。良く知っているんだ。でもね、ここでしたいんだよ。



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