初めての体験 35 - 38


(35)
 ヒカルをよけるようにして、人が流れていく。だが、ヒカルは、突然後ろから
肩を叩かれ、ビクッとして振り返った。まさか・・・またあの男が・・・!
「気分悪いの?大丈夫かい?」
よく知っている優しそうな顔があった。
「白川先生・・・」
ヒカルは涙に濡れた瞳で白川を見上げた。手の甲で涙を拭いながら、立ち上がって言った。
「な・・・何でもありません・・・。大丈夫・・・です。」
「何でもないことないだろう。」
白川がハンカチを取り出し、それでヒカルの涙を拭った。そして、餌付いている
ヒカルの背中をさすりながら、
「今から囲碁教室に行くから、一緒に来なさい。」
と言った。

 「ここで待っているんだよ。」
白川は、囲碁教室を開いている社会保険センター内の講師の控え室に、ヒカルを
通した。
 白川が出ていった後、ヒカルはどう言い訳しようかと考えた。まさか、本当のことは
言えない。男に犯られて、写真をネットで売られたなんて・・・。あれこれ考えたが、
うまい言い訳を思いつかなかった。


(36)
 どれくらい時間がたったのか、白川が戻ってきた。
「今日はもう講義がないので、ゆっくりしていいよ。どういうことか話して
 くれるね?」
白川は、ヒカルの横に椅子を並べた。
「あ・・・あの・・・それは・・・」
ヒカルは口ごもった。白川は相変わらず優しい笑顔を浮かべて、ヒカルを見つめていた。
白川の顔をまともに見ることが出来ずに、ヒカルは俯いた。
 「もしかして・・・これのこと?」
白川がテーブルの上に何かを置いた。それを見て、ヒカルははじかれたように
顔を上げた。
「せ・・・先生・・・それ・・・!」
ヒカルは青ざめた。どうして、先生があの写真を持っているんだろう?
さっぱり訳がわからない。ヒカルは混乱した。
「ああ・・・やっぱりこれ君なんだ。なんか、似てるなとは思っていたんだけど・・・。
 まさか、本人だったとはねえ。」
「棋士の間でもちょっと話題になっていたよ。進藤君によく似てるって。」
いつもの白川らしくない神妙な顔つきで言った。
「・・・!!先生!誰にも言わないでください!その写真、違う人だって言って・・・!
 お願い・・・」
ヒカルは白川に縋り付いた。目に涙を浮かべて、唇をふるわせていた。
 「どうして、こんなことになったのか話してくれるね?」
白川はヒカルの背をさすりながら、問いかけた。ヒカルはつっかえ、つっかえ理由を
話し始めた。男に拉致されたこと・・・。廃ビルで犯されたこと・・・。
知らないうちに写真を撮られていたこと・・・。
「そうか・・・可哀想に・・・」
「・・・?せ・・・先生?」
背中を撫でていた白川の手が、ヒカルの首筋や脇腹まで触れてきた。


(37)
 唯ならぬ雰囲気を感じ取って、ヒカルは白川から離れようと体を捩った。
だが、反対に腕を取られ、抱き寄せられてしまった。
「先生・・・!やめて・・・!」
無理矢理、唇を塞がれた。
「ん、んん―――――――!」
白川の舌が、ヒカルの口腔内に侵入してきた。口の中を蹂躙する。
 白川の手がヒカルのシャツの下をまさぐった。背中を逆撫でされて、ヒカルは、
ピクリと身を震わせた。ゾワゾワとした感覚が背中を駆け登った。白川は、
キスをしたままヒカルを机に押し倒した。
 白川の力は見かけよりずっと強く、小柄なヒカルの力では対抗できなかった。
白川の唇がヒカルの喉に吸い付いた。手はシャツを捲り上げ、ヒカルの胸元を
弄んでいた。
「あ・・・あん・・・あぁ・・・やめ・・・やめて・・・」
ヒカルが悶えた。必死で体を捩ろうとした。
「やぁ・・・!」
弄られて、ツンと立ち上がった乳頭を舐めあげられ、ヒカルは喘いだ。
「あ・・・やだ・・・せん・・・せ・・・んん・・・」
「感じているんだね?可愛いよ・・・」
白川が耳元に口を寄せて、囁いた。もうヒカルは抵抗をしなかった。
 これは口止め料だ・・・先生の言う通りにしておけばいいんだ・・・
白川の愛撫がヒカルの思考を奪っていった。


(38)
 白川は、ヒカルの服を全て剥ぎ取った。遠慮することなく、ヒカルの全身を
撫でさする。ヒカル自身にも、指で舌でなぶり続けた。軽く指で輪を作り、さすり
上げながら、先端を舐めた。
「・・・ん・・・ふぅ・・・あぁん・・・」
ヒカルは甘い声を止めることが出来なかった。全身を震わせ、悶え続けた。
 突然、白川がヒカルへの愛撫をやめた。ネクタイを外し、それをしならせると、
ヒカルを俯せにして後ろ手に縛り上げた。
 あっという間の出来事で、抵抗する暇もなかった。
「!!先生!」
ヒカルは大きく目を見開いて、肩を押さえ付けている白川を見た。
「うん・・・やっぱりこの方がそそるよ・・・」
白川がニコニコ笑って言った。いつもの白川とは違う。あの男に感じたのと
同じ恐怖がヒカルを襲った。
「や・・・やめてよ・・・せんせい」
ヒカルは泣きそうになった。こんなことしなくても、逃げたりしないのに・・・。
どうして・・・。
 今にも泣き出しそうなヒカルの頼りない表情を見て、白川は微笑んだ。
「可愛いよ・・・進藤君。写真じゃなくて、本物の泣き顔が見たかったんだ・・・」
そう言いながら、骨に沿って背中を舐めた。恐怖と快感で体が震えた。
「せんせ・・・外してよ・・・お願いだからぁ・・・」
遂にヒカルは泣いてしまった。涙を流して哀願するヒカルの顔を恍惚とした表情で
白川は見つめた。ヒカルの腰を片手で固定し、その双丘を左右に割り開くと、
そこに舌を這わせた。
 「やだぁ・・・!やめて・・・やめってたらぁ・・・!」
ヒカルが泣き叫んだ。指がヒカルの内部に侵入した。ヒカルは、起きあがろうと
上体を反らせたが、白川に背中を押さえ付けられた。それでも、爪先立ちの足を
じたばたさせたが、大した抵抗にはならなかった。その間も指は出入を繰り返した。
ズニュズニュというねっとりとした音がヒカルの耳に入ってきた。



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