失着点・展界編 36


(36)
その夜、湯舟に浸かりながらヒカルは伊角に言われた言葉を思い返していた。
「細っこい…かなあ。オレ。」
むんっと腕に力こぶを作ってみる。確かに期待した程変化しなかった。
腹筋も、あまりついていない。力んでもポコッと膨らむだけだ。
「あれ、なんだろう、この痣…、」
二の腕のところにくっきりと青っぽく痕があり、揉むと痛みがある。
首元や胸の痕とは違った。
「あっ…、そうか…。」
バスルームに引っ張って行った緒方の手の痕だった。その後ヒカルの顔に
まだ冷たいシャワーを浴びせたのだ。
「…大人の体…か…。」
目眩がしてふらついたヒカルを抱きとめた胸は、とても広くて大きかった。
次の日は1日おとなしく寝ていたが、痛みさえ完全に退いてしまえばもう
ジッとしていられなくなって、あくる日は河合らがいる碁会所に顔を出した。
久々ということもあって熱烈な歓迎ぶりで、仕事中だった河合もすぐに
駆け付けて来て、他の常連客達も連絡を取り合ってぞくぞくやってくる。
「まいったなあ…」と思いつつ、期待に光り輝くおやじ連中の瞳に負けて、
片っ端から3子4子置の4面打ちをこなしていった。
それはとても楽しかった。だがヒカルが甘かったのは、それで希望者が
さばけると思ったのに、後から後から新顔が増えて来ることだった。
「そうだ!」
ヒカルは電話で伊角を呼び出した。加勢してもらおうと思ったのだ。
伊角はすぐにやって来た。碁会所の入り口にやって来た伊角を見てヒカルは
ハッとなった。…伊角の後ろに和谷もいたのだ。



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