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(36) ヴヴヴ… 携帯のバイブ音がいまや狂気の世界と化した闇夜の公園に小さく、だが確かに鳴り響く。 アキラを犯す行為に完全にのめり込んでいた男達とは違い、アキラの有様に反応してはいるものの、理性だけはのこっていたヒカルの耳に、辛うじて届いた。 自分を拘束する男はアキラばかりを見ていて、今にもヒカルを放っておいて、自分も参加してしまいそうな勢いである。 トイレの片隅で小さく震える携帯を、ヒカルは血走った目で見詰めていた。