トーヤアキラの一日 36 - 40


(36)
お互いの固く勃ち上がった中心部が強く触れ合い、その刺激に耐えられずに唇が離れる。
「んっっ!」「うっ!」
アキラはヒカルの体を持ち上げるようにしながら移動して、入り口に近い壁に押し付けた。
部屋の電気は点けていなかったが、廊下の灯りが障子を通して柔らかくヒカルの顔を
照らしている。金色の前髪は仄かな明かりで、キラキラと輝いていた。アキラはその顔を
見詰めて目を細めながら、ヒカルの前髪を掻き分け、顔中にキスの嵐を降らせた。
「進藤、進藤・・・・・・好きだ、キミが好きだ」
切羽詰った声でそう囁きながら下腹部を擦るように押し付けて、夢中で顔を嘗め回す。
ヒカルは息遣いが荒くなり、体の力が抜けて来た。
「はぁぁ・・・・トーヤぁ・・・・・・」
と、両手をアキラの首に回して、軽い吐息と共に呟く。
そのくすぐったい甘い声を耳元で聞いたアキラは、さらに煽られて耳朶や首筋を吸うように
口付けながら、左手をTシャツの裾から忍び込ませ背中に回した。熱くなっている背中を
這わせて、首筋まで手を持って行き、背骨をなぞるように上からゆっくり移動させていく。
指先で背骨の一節一節を確認するように撫でると、ヒカルは背中をわずかに仰け反らせて声に
ならない吐息をもらす。アキラは自分の手の動きに敏感に反応するヒカルの顔をまじまじと
見詰めながら、右手で胸を弄り始めた。浮き出た肋骨の隙間にある小さな突起を捕らえると、
指で軽く摘んだ。その瞬間にヒカルはさらに背中を仰け反らせて声を上げる。
「あぁぁぁ・・・・・・・ぁ」
指で転がしたり、人差し指と中指で挟んで引っ張ったりすると、ヒカルは体を捻るように
して、その刺激から逃れようとする。アキラが、腰まで降りて来ていた左手を強く引き
寄せてヒカルの体を固定し、唇で突起を強く吸い上げると、ヒカルは両手でアキラの髪を
掻き回しながら目を瞑って声を上げ続けた。
「ううっっ・・・・あぁ・・んっ・・」
そんなヒカルの様子をアキラは一瞬たりとも見逃すまい、と上目遣いで見続ける。
仄かな明かりの中で、アキラの瞳は獲物を捕らえようとする獣のように光っていた。
───もっともっとキミの喘ぐ声が聞きたい・・・・・キミの全てが欲しい・・・


(37)
アキラは、右手でヒカルのズボンのベルトとボタンを外し、チャックを一気に引き下げた。
ウエストの部分を掴んで、下着ごと腰まで引き下げると、元々ゆったりしていたデニム地の
ズボンは勝手に太腿の辺りまで落ちて行く。
露になったヒカルの分身は、すでに先走りを滴らせて固くピンと上を向いて存在を主張
していた。それを目で確認したアキラは、満足げに微笑んで右手で強く握り締めた。
「んっ!あぁぁぁぁぁ!・・・んっ・・・・んっ・・・・」
初めてアキラの手で直接握られて、ヒカルは足の力が抜けて崩れそうになる。アキラは
左手で背中を強く引き寄せ、右足をヒカルの両足の間に入れるようにして体を支えた。
ヒカルもアキラの頭に当てていた両手を再びアキラの首に回してしがみついて来る。
アキラは握り締めていた右手を緩めると、手のひらで鈴口を軽く撫でて雫を拭き取るように
してから、再び陰茎全体を包み込み、ゆっくり動かし始めた。ヒカルの雫が潤滑油となって
滑るように柔らかくヒカルの分身を包み込む。ヒカルのそれは悦びに震えながら、益々
熱を持ち容量を増す。アキラは手の動きに合わせて、自分の中心部をヒカルのわき腹に
押し付けて腰を動かし、自らも快感を得ようとしていた。
アキラはヒカルの頬や瞼に口付けながら、リズミカルな手の扱きに合わせたように、耳の
側で絶え間なく聞こえてくるヒカルの喘ぎ声に酔いしれていた。
「あぁぁぁっ・・・・・、うぅぅぅっ・・・・・、んっっっっ!」
手の動きを早めると、それに合わせて息遣いも早くなる。ゆっくりにすると、焦れた様な
声を出して早い動きを要求してくる。自分の与える刺激に素直に応じるヒカルが愛しくて
仕方が無い。
「進藤の、凄く感じてるね・・・・・ほら、こんなに大きくなってる」
「んっ・・・いやだよ、トーヤぁ・・・」
「え?やめてもいいの?」
そう言って動きを止めると、ヒカルは自ら腰を動かして要求する。
「あぁぁん、トーヤぁ、んっ・・・・・んっ、して・・・・」


(38)
その声に弾かれた様にアキラは今迄にも増して、手と腰の動きを早めた。
すでに限界に来ていたヒカルは、身体を仰け反らせ、アキラの首に回した腕をきつく
締め付けながら最後の嬌声を上げた。
「んっっ・・・イク・・あぁぁぁぁっ───トーゃぁ!!あぁぁぁぁっっっ───!!」
ヒカルは体を硬直させるようにして、アキラの手の中に精を放った。
その瞬間の、我を忘れて全てを手放すようなヒカルの顔を見てアキラ自身も頂点に
達しようとしていた。断続的に痙攣して放たれるヒカルの生暖かい精液を手の中で
感じながら、アキラもまたヒカルの脇腹に中心部を押し当てたまま、下着の中に精を
吐き出した。顔を上に向けて目を瞑り、その快感を味わう。
「んっっっ、んっ!!」
その瞬間、ヒカルの背中に回されていたアキラの左手が緩み、ヒカルが支えを失って
体が壁に沿って崩れ落ちていく。アキラの首に回されていたヒカルの腕はダラリと
滑り落ち役に立たない。アキラが慌てて支えようとするがアキラもまた腰に力が、
入らないので、一緒になって崩れてしまった。
ヒカルは壁際に足を投げ出して座る格好になり、アキラは右手でヒカルの分身を
掴んだままヒカルの右横に正座する形になった。

アキラは心地よい脱力感の中で、初めて見る放心状態のヒカルの顔をじっと眺めていた。
首を少し傾けて壁にもたれる格好になっているので、前髪が垂れて顔の半分を隠している。
いつもは大きな目がクリクリと動いている瞳は閉じられていて、睫はうっすらと涙で
濡れている。頬は上気しているからか、廊下からの明かりのせいか、あるいは前髪の
色が映っているためか、オレンジ色に光って見える。口は少し開けられて、荒くなった
呼吸を整えるために、熱く甘い吐息を漏らし続けていた。
背中に当てられたアキラの手は、ヒカルが呼吸するたびに一緒に動く。熱を持った
その背中の肌は、ツルツルとしていて気持が良かった。
それらのヒカル全てを手中に納めたのに、自分が欲しかった物が他にあるような気が
してアキラは満足し切れなかった。


(39)
未だにアキラの右手の中にあるヒカルの分身は、小さくなったものの、まだ余力を
残しているように感じられる。
アキラが再びヒカルの背中を摩りながら、首筋に口付けると、ヒカルの体がビクンと
反応して、アキラの右手の中のモノも僅かに動きを見せ、ヒカルの口から声が漏れる。
「んっ・・・・・・」
その声を聞いたアキラに、新たな欲望が生まれた。
───もっともっともっともっとキミが欲しい。キミを知りたい。

アキラは乾いた自分の唇をペロリと舐めてからヒカルの唇にそっと触れ、次に右手に
放たれた白濁液を、猫の毛づくろいの様な仕草でペロペロ舐め出した。
初めての苦味に少し顔をしかめたが、ヒカルの一部だと思うと苦にならなかった。
その音にヒカルが薄目を開けてアキラを見て驚く。
「!?トーヤ!?・・・・・・・」
アキラはヒカルを見ながら綺麗に舐め取ると、チラっとヒカルの股間を確認して微笑み、
いきなり突っ伏してヒカルの陰茎を咥え込んだ。
「うわぁぁぁぁ!!・・・・トーヤ、やめて!!」
ヒカルは驚いて身体を捻りながら訴えるが、アキラは左手でヒカルの腰を押え、右手で
陰茎の根元をしっかりと握り締めているため、アキラの口から逃れることは出来なかった。
アキラは半勃ち状態のヒカル自身をスッポリ口の中に咥えて、舌先で鈴口を刺激しながら
全体を吸い上げた。口を窄めて出し入れを繰り返しながら、右手の指先で袋を軽く撫で
回すと、ヒカルから新たな声が漏れる。
「・・あぁぁぁんっっ!ダメだよぉ、ダメだってばトーヤぁ・・・・んんっっ!ん・・・・」
言葉とは裏腹に、口の中のヒカル自身は容量と固さを増し、両手をアキラの頭に当てて、
肩を上下させて荒い息遣いになり始めた。


(40)
アキラは、口の中で急激に大きくなったヒカルの分身に対応しきれずに、息苦しくて
一度口を離して大きく息を吸った。ヒカルの亀頭は、薄暗い中でもピンク色に艶々して
いるのが分かる。アキラが舌を出して、裏筋をスーッとなめると、刺激を悦ぶように
ヒクヒクと陰茎が揺れ、ヒカルの声が大きくなって下腹部に力が入るのが分かり、
さらにアキラを駆り立てる。
息を整えたアキラは、再び刺激を待ち望んで震えている陰茎全体を口の中に収めた。
歯が当たらないように、喉の奥を開くようにして咥え込み、弾力のあるヒカル自身を、
目を瞑って味わう。
鼻先にはヒカルの柔らかい茂みが触れ、甘酸っぱい匂いがして更に五感を刺激する。
アキラは夢中で初めてのヒカルの分身を味わっていた。唇にキスをしてヒカルの舌を
捕らえた時とは違った一体感があり、より深くヒカルを手に入れられるような気がした。
アキラの口の動きに合わせるように、ヒカルの声も大きさを増していく。一回目に
アキラの手によって果てた時と違って、声の中に震えが混ざっており快感の深さを
感じさせる。その声を聞きながら、アキラは一直線に動きを加速させた。口の中に
入り切らない根元の部分は右手を使って早い動きで扱き、口は比較的柔らかく吸い
上げるように出し入れする。
アキラの唾液と舌の動きで『ジュルッジュルッ、ビチョビチョッ』と淫猥な音が部屋中に
響き渡っていた。
その音に二人はさらに煽られて頂点に向かって走って行く。ヒカルは苦しいのかと
思わせる喘ぎ声を出し続け、アキラの髪を掴んで押し付けるようにして自らも腰を
動かして快感を貪っていた。
フィニッシュが近い事を感じたアキラは、左手をヒカルの腰から胸に回して、硬く
なっている突起を捕らえて摘みながら、口の動きを加速した。
ヒカルは喘ぎながら頭を打ち振り、一瞬体を硬直させるとアキラの髪を強く掴みながら
泣きそうな声を出す。
「・・トーゃぁっ、出ちゃう・・・・トーゃぁぁ!ん・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
アキラの口の中でヒカルの分身は悦びの証を放出した。



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