Shangri-La 36 - 40
(36)
「………!」
(キツい…やっぱり、急ぎすぎたかな?)
アキラの菊門は、ヒカルの亀頭を飲み込むのがやっとで
その辛さについ眉を顰めた。
深呼吸に合わせて、更にゆっくり腰を落としていく。
きついながらも少しずつ、楔がアキラに埋め込まれていくが
半ばまで埋まったところで、先を諦めた。
アキラは呼吸を調えながら、ヒカルの上半身に手を伸ばした。
「進藤、動かないでて…まだちょっと、きつい………」
アキラがヒカルの鳩尾から両手でそっとなで上げていくと、
ヒカルの口から溜息が漏れた。
さらにキスで唇を封じ、堅くなった胸の突起をそっと撫でると
ヒカルはアキラの口の中に熱い息を吐くと同時に、ぴくんと動く。
「……んんっ!」
半端にアキラの中に埋まったヒカル自身が
アキラの中の過敏な部分を掠め、思わずアキラは背中をしならせた。
さらにアキラがヒカルの肌を撫でると、
ヒカルは喘ぎながら、アキラの手の動きに合わせて
ぴくり、ぴくりと微かに動き、結果、アキラの愛撫は
結合部からアキラの中へと返されていった。
(37)
アキラは、ヒカルの首筋から肩にかけて吸い付き、
ヒカルの乳首を指で捏ねまわし、舌で激しく舐り
ヒカルと繋がったその場所から伝わる刺激を貪りながら
鼻にかかる甘い声で鳴いている。
「ん…んんっ……、ぅうん………」
ヒカルは、アキラの脇腹から胸元にかけて手を這わせながら思う。
(コイツのこーゆー声ってホント可愛いけど
キツイから動くなと言っておきながら、自分は散々動いてる。
ったく、何なんだよ?)
事実、アキラは猛り立った陰茎をヒカルに激しく擦りつけ
一人、行為に溺れているように見えた。
(―――うー、なんか腹立ってきた。)
ヒカルはアキラの頭を両手で挟み、顔を上げさせた。
アキラの瞳にはただ情欲だけが滾るのみで、その強さが
ヒカルの中の、まだ見ぬアキラに対する好奇心を焚き付けた。
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ヒカルはアキラの頬を両手で挟んだまま、動いた。
「はぁ……あぁん……あん……あぁぁ…」
アキラは眉根を寄せ、目を伏せ、切なげに喘いでいる。
動きに合わせて変わる表情は相変わらずだったが
頭を押さえ、無理な体勢を強いているせいか
少し辛そうにも見えた。
「塔矢、塔矢……」
アキラは瞼を震わせただけだった。
「もっと、やらしい塔矢が、見たい…」
ヒカルがアキラの額に張り付いた前髪を梳くと、
アキラはようやく少しだけ目を開いた。
「これじゃ、あんま見えない…」
アキラはぼんやりとしていたが、促されるままに身体を起こし、
ヒカルの視線に自分を晒した。
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アキラはヒカルの上で自ら揺れながらぼんやりと考える。
――何か、足りない…
アキラの中に篭る疼きは、どんどん快楽にすげ替えられ
もうその波に溺れることしか出来ないのに、
それでも何故だか、まだ満たされない。
とめどなく溢れてくる唾液をなんとか飲み込み
何度も襲い来る極上の恍惚感に流されそうになりながら
なんとか今の状態を収められないものか、アキラは必死に考えた。
アキラは、自分をじっと見つめるヒカルの瞳に視線を残しながら
ゆっくりとした動作で首を捻り、指を2本、口に差し込んだ。
涎を垂らしながら、舌を出して指を迎えるその姿は
怖ろしいほど扇情的で、ヒカルは目を離すことが出来なかった。
アキラはそんなヒカルの視線に満足して、そっと瞳を閉じ
口の中で指をめちゃくちゃに動かし舌を遊ばせる。
いまさっきまで確実に存在した渇望は、少しだけ満たされ
嬉しくて自然と口の端が上がった。
でも、まだ足りない。
空いているもう片方の手は、自然と自分のペニスに伸びた。
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―――えっ、おい、ちょっと待てって!?
慌ててヒカルはアキラの手首を掴んで、アキラを制した。
(扱いて欲しかったらそう言えばいいのに、
なんで自分でしようとするんだよ?)
ヒカルは自分も身体を起こしてアキラの顎を掴み
正面から向き合った。
不満を訴えるように、アキラはヒカルを睨みつけてくる。
鋭い瞳の下で、指を舐ることは止めようとせず、
ぴちゃぴちゃと音を立てながら、指の間からちろちろと見える
赤い舌とのアンバランスさに眩暈がした。
もう、ヒカルは限界だった。
ヒカルはアキラの口から手を外させ、
アキラの口が名残惜しそうに指を追う様子に苦笑いしてから
深く口づけた。
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