初めての体験+Aside 37
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暫くすると、二人分の足音が聞こえた。社は慌てて布団に潜り込んだ。障子の向こうから、
ヒカル達の声が聞こえる。
「塔矢…ホントに社、眠ってた?聞こえてなかった?」
不安げな甘い声に、少しハスキーな声が答える。
「大丈夫。殴っても目を覚まさないと思うくらいよく寝てたよ。」
………それは、起きていることを気取られたら殴るという意味か?一生、目を覚ますなと?
「……でも…」
「心配なら、明日聞いてみる?」
ヒカルは、慌てて首を振った…と、思う。障子に影が写っていた。アキラは軽く笑って
ヒカルを抱き寄せ、キスをした。そして、アキラは自分の部屋に戻っていった。
部屋に戻るとヒカルは、社の顔を覗き込んだ。
「…よかった……よく寝てる…」
ホッとしたような声に、社は『ゴメン…ホンマは起きとるんや…』と謝った。
ヒカルは布団に横になると、最初と同じように社の手を握ってきた。
「おやすみ」
社に向かって呟くと、すぐに眠ってしまった。
―――――可愛すぎるで!進藤!
やっぱり、自分はヒカルが好きだ!拗ねても笑っても…何をしていても可愛いと思う。
……それにしても…泣いているヒカルはすごく可愛かった。さっきのことを思い出して
しまった。アキラの気持ちがちょっぴりわかる。ヒカルにあんな風に泣かれたら………
ハッと我に返った。
『アカン!アカン!進藤を泣かせたいなんて思たら…』
社は頭まで布団をかぶった。だが、ヒカルの痴態がちらついて、なかなか寝付けなかった。
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