交際 37 - 38
(37)
身体の奥底に熱いモノが叩き付けられた。社はふうふうと荒い息を吐きながら、まだ、
ヒカルを強く抱きしめたまま離してはくれなかった。
「…も…いいだろ……離してよ…………」
グスグスと鼻をすすりあげた。痛くて痛くて仕方がない。ヒカルはもう限界だった。
そっと身体を離そうとした。が、自分を抱きしめる社の腕にぐっと力がこもった。
「…!や…社?」
「………堪忍…まだや…」
社がヒカルの中でまた蠢き始めた。
ヒカルは怖くて堪らなかった。このまま続けられたら、自分は本当に死んでしまう。
体中が震えた。
「ゴ…ゴメン…社…ごめんなさい…謝るから…お願い…」
泣きながら、懇願した。社は、答えてくれない。
「ごめ…ん…なさい…ごめん…おねが…ゆるして…ごめんなさい…」
社に揺さぶられながら、ヒカルは許しを請い続けた。
(38)
ヒカルの哀願を、社は切ない思いで聞いていた。先程は理性を失って、ヒカルの身体の
ことを考えずに突っ走ってしまったが、今は、欲望を吐き出して多少はゆとりが出来た。
しかし、身体の奥底では熱が燻り続けている。自分は、まだヒカルを必要としていた。
それに何より、ヒカルを泣かせるだけで終わってしまっては、男としてあまりに情けない。
「や…!ごめん…とうや…ごめ…」
また、アキラの名を呼び始めた。腕の中のヒカルは身体を強張らせ、「ごめんなさい」を
何度も繰り返している。苦しげな息遣い。でも、一体誰に対して謝っているのだろうか?
自分か?それともアキラにか?わからない…。ただ、ヒカルが混乱していることだけはわかった。
自分は性急すぎるのかもしれない。ヒカルを貪り食うことばかりに夢中になって、
肝心の相手の気持ちを考えていなかった。
ヒカルを穿つ動きを緩やかなものに変え、腕の力を弛めた。
「ん…」
安心したようにヒカルの全身から力が抜ける。社の胸にもたれかかり、完全に身体を預けてきた。
柔らかい髪に指を絡めた。フワフワした感触の猫っ毛が気持ち良い。そのまま、首筋に
滑らせる。背骨に沿って、指を這わせた。
「あ…」
ビクリと身体を震わせる。背中から尻の谷間、繋がっている部分まで指を移動させ、また、
首筋へと逆に辿っていく。
手や唇でヒカルの外側を愛撫し、穿った楔で慎重に内側を探った。激しすぎないように
出来るだけ優しく……。
「ん…は…あぁ…」
苦痛を訴えるだけだった小さな口から、別のものが紡ぎ出され始めた。
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