初めての体験 Asid 37 - 41


(37)
 ボクは些か乱暴に、進藤の服を剥いだ。小さな胸飾りが二つ現れた。薄紅色の小さな
突起は、まだ触れてもいないのに僅かに勃ち上がっていた。ここも老人は、堪能するまで
貪り尽くしただろう。ボクは、そこに顔を伏せて、荒々しく吸った。
「ひゃ…!あぁぁん…あ…」
ボクから逃れようとする進藤を、体重をかけて押さえ付ける。進藤の胸を舌で弄りながら、
手でジーンズの上から、股間を激しく揉み上げた。
「あ、あ、あ、やぁ…!」
進藤の身体が弓のように撓った。
 ファスナーを下ろし、中のモノを取り出した。先から蜜がどんどん溢れている。直に
扱くと進藤は身悶えて、身体を捻った。指を濡らす蜜をすくい上げるように竿を撫でた。
 そのまま、蜜を零す先端をぐりぐりと押すと、「ひ!」と彼は小さく悲鳴を上げて硬直した。
 荒く息を吐く進藤の目に、涙が滲んでいる。ボクのやり方を非難しているようだ。
ゾクゾクした。
 キスをしようと顔を近づけると、進藤は横を向いてそれを拒んだ。拗ねているんだね。
ボクは、その小さな顔を無理やり自分の方へ向けると、そのまま唇を塞いだ。顎を強く掴んで、
口を開けさせると、舌をねじ込んだ。抵抗する進藤の拳が、ボクの胸や肩を強く叩く。


(38)
 「や…やだ…!」
進藤が、激しく暴れ始めた。彼を抱いていた腕が、少し弛む。それを見逃さず、進藤は
転がるように逃げた。
まずい。怯えさせてしまった。
「う…うぇ…」
進藤は、壁際で、ボクに背中を向けて蹲っている。本気で泣かせてしまったようだ。
「ごめん…」 
宥めようと肩においた手を振り払われた。
 ボクは途方に暮れた。ボクは進藤の泣き顔が、好きだ。だから、つい泣かせたくなって
しまうのだが、それなのに、本気で泣かれると困ってしまうのはどういう事だろう。我ながら、
矛盾している…。
 「なんか…やなことあった?」
暫くして、漸く進藤が口を利いてくれた。相変わらず、背中を向けたままだった。
「うん…ちょっと…」
本因坊に腹を立てているのは、事実だが………ちょっと泣かせてみたかっただけとは、
進藤には言えない。
「……オレ、あんなのヤダ…いつもみたいに優しいのがいい…」
こう言われては、逆らえない。惚れた弱みだ。ボクは奴隷を一人手に入れたが、自分も
進藤に対しては、心理的に奴隷の立場にあると思う。


(39)
 ボクは、進藤を寝室へ連れていった。そして、望むとおり彼を優しく扱う。
「あ…ん…塔矢…」
進藤がボクに、キスを強請った。さっきはあれほど抵抗したのに…。やはり、未熟な
ボクがあんな真似をするのは、早すぎたのだ。真の達人なら、あれを暴力とは感じさせなかった
はずだ。
 いつまでたってもキスをしようとしないボクに焦れて、進藤が自分から唇を押しつけてきた。
甘い吐息に頭が痺れた。侵入してきた小さな舌を、思い切り吸い上げた。進藤の身体が、
微かに震えた。
 優しく胸を愛撫すると、進藤は「…っ、あぁん…」と、可愛い声で喘いだ。可愛い。
本当に可愛い。こんなに可愛いと思っているのに、頭の中は老人に陵辱される進藤のことで
いっぱいだった。さっき泣かれたばかりなのに、ボクはまったく懲りていない。


(40)
 「あ!うぅ…あぁ――――――!」
進藤は、胸につくほど、足を折り曲げて、ボクを限界まで受け入れた。その表情は、苦しげだった。額に張り付いた髪を払ってやる。
「大丈夫?」
と、訊くと、彼は無理に微笑んで頷いた。いじらしくて涙が出そうだ。
 ゆっくり身体を揺する。
「は…あ…んん…」
感じているのか、苦しげだった表情に陶酔の色があらわれ始めた。
「気持ちイイ?」
ボクの言葉に、進藤は、恥ずかしそうに顔を逸らせた。
「あっ!」
ボクが深く突き上げると、進藤の身体が痙攣するようにビクビクと震えた。
「あ、あ、あ…あぁん、イイ…」
抽挿を早くする。進藤の身体が何度も跳ねた。
「あああ――――――!!」
進藤がボクを強く締め付けた。ボクは、彼の中に欲望の飛沫を迸らせた。

 ボクの胸に頭を凭れさせている進藤の可愛い寝顔を眺めながら、ボクは反省した。今日は、
些か早急すぎた。本因坊の話を聞いて以来、体の中がモヤモヤしていたって言うのもあるが、
進藤の顔を見たら急に堪らなくなってしまった。まだ、ロクな経験も積んでいないのに…。
 それに、結局、ボクは進藤には勝てないのだ。可愛く甘えられたり、泣かれたりしたら、
ボクは折れるしかない。それに、耐えることのできる鋼鉄の意志を持たなければ、ボクの
夢は叶わないのだ。
 進藤の髪を梳いてやると、くすぐったそうに身じろいだ。ボクは、進藤を抱き寄せると、
下克上の日が早く来ることを願いつつ眠りについた。

おわり


(41)
 四ヶ月ぶりに進藤に会った。北斗杯の代表選抜の日だ。ボクの進藤は、予想通り代表の座を
勝ち取った。これで、誰にも文句は言わせない。この四ヶ月間は、長かった。
 そのまま、お持ち帰りをしようと思っていたのに、進藤は用事があるとかであっさり
ボクの誘いを断った。
「後で、行くから…」
そう言い残して、去っていった進藤が、ボクの家にやって来たのは夜中の十二時を
まわってからだった。
「ゴメンね。塔矢。オレ、ちょっとしんどいんだ…だから、今日は……」
そう言う進藤の身体から、微かに香る石鹸の匂いが彼の家で使われているものとは違うように
感じたのは、ボクの気のせいだと思いたい。それに、そもそも『しんどい』って、どこの言葉?
正面切って、問いつめられないボクは、弱虫だ。だけど、進藤の無邪気な笑顔やキラキラ
している大きな瞳に見つめられて、そんなことを訊けるヤツがこの世に存在するとは思えない。
 まあいい。こうして、進藤を抱きしめて眠れるだけでも良しとしよう。しかし、こんなに
側に進藤がいるのに、何も出来ないなんて…地獄だ。し・か・も、四ヶ月ぶり(ここ重要)
の進藤の温もり…。長い睫毛や、可愛い寝息がボクの理性にケンカを売っているようだ。
 そんなこんなで、その夜ボクは良く眠れなかった。



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