Shangri-La 38 
 
(38)
 
ヒカルはアキラの頬を両手で挟んだまま、動いた。 
「はぁ……あぁん……あん……あぁぁ…」 
アキラは眉根を寄せ、目を伏せ、切なげに喘いでいる。 
動きに合わせて変わる表情は相変わらずだったが 
頭を押さえ、無理な体勢を強いているせいか 
少し辛そうにも見えた。 
 
「塔矢、塔矢……」 
アキラは瞼を震わせただけだった。 
「もっと、やらしい塔矢が、見たい…」 
ヒカルがアキラの額に張り付いた前髪を梳くと、 
アキラはようやく少しだけ目を開いた。 
「これじゃ、あんま見えない…」 
アキラはぼんやりとしていたが、促されるままに身体を起こし、 
ヒカルの視線に自分を晒した。  
 
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