失着点・龍界編 38


(38)
幅のせまい趣味の悪い濃紺のカバーのベッドの上で、三谷がヒカルの
体の上にのしかかり、手をヒカルのシャツの中に入れて弄る。
やがて三谷の指先が小さな突起を探り当て、軽く摩るように刺激してきた。
ヒカルの体がわずかに仰け反る。
「ふっ…んっ」
突起の周辺を円を小さく描くように指が動く。三谷に唇を塞がれ、その状態で
ヒカルは断続的に小さく声を漏らした。
「…へえ、…進藤って感じ易いんだ…」
三谷は唇を離すと猫のようにぺろりとヒカルの目蓋を舐め、そのまま目尻から
耳、耳たぶ、首筋へと舌を細やかに動かし移動させていく。
その間も胸の左右の突起の周辺で指を動かし、ヒカルからより甘い喘ぎ声を
引き出そうとする。そしてシャツのボタンを外してヒカルの胸部を露にし、
直接突起を口に含もうとして唇をそこへ寄せた時、ヒカルが尋ねた。
「…何で逃げ出さないんだよ、三谷。逃げだせない理由があるのか。」
「…関係ねえっていっているだろう!」
三谷は一瞬ヒカルはと睨み合ったがすぐに自嘲するように笑みを浮かべた。
「別に逃げ出す必要はないんだよ。…ここが、オレにとって相応しい居場所
だからさ…。」
投げやりのような三谷の態度にヒカルは眉を顰めた。
「…なんでそう思うんだよ。」
「それよりどっちがいい?お前がオレに突っ込むのとオレがお前に
突っ込むのと…さ」
「三谷…!」



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