白と黒の宴2 39
(39)
緒方は何も答えようとしなかった。
体力的な限界と貧血からアキラの意識は途絶えかかっていた。
その意識を現実に引き戻したのは、一気に体内から緒方自身が引き抜かれる痛みと、
再び押し入られて来た苦しみだった。
だが、今度はその部分に二人を隔てていたものは取り去られていた。
「…ああ、あ、あ…」
緒方の燃えるように熱い肉体の先端に直接触れアキラは歓喜に全身を震わせた。
緒方の唇がアキラの体表を動き、乳首を優しく愛撫した。
その間も緒方は腰を進め、アキラを満たしていく。
「はあっ、…あ…んんっ!!」
同じ行為でも、緒方の脈動を直接受けるだけで、受け取る感覚がまるで違った。
「あ…あ、イイ…、おが…たさ…、もっと…もっと…」
かつてない程に緒方の体の下でアキラは乱れた。緒方の手がアキラ自身を包んで刺激し始めると
狂ったように首を振り、声をあげた。
緒方の吐息も次第に荒くなり、より一層アキラの中での動きが激しくなる。
「く…はあっ、ああ…、い、イク、い… 」
アキラも更に激しく喘ぎ、身を捩り、腰を自ら浮かせて突き上げた。視覚を奪われている事がアキラを
大胆にしていた。そのアキラの反応に呼応するように緒方もいっそう昂り、呼気を荒げた。
「ああっ、く、ううーーーん……!!!」
頭の中が真っ白になるような、体から魂が抜けるような衝撃がアキラを包んだ。
身を溶かすような緒方が放つ熱いものを受け止めた時、一筋の涙が頬を伝わり落ちた。
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