初めての体験+Aside 39
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特に問題もなく午前が過ぎようとしていた。ヒカルはいつもの通り、明るく元気で、
アキラも社に何かをするということもなかった。だけど、社はそろそろ限界だった。頭の
中は、眠りたいという気持ちだけでいっぱいだった。ヒカルに昨日本当は起きていたことを
知られないように振る舞い続けたが、時間が経つにつれ疲労は濃くなっていった。
『アカン…死ぬかも…』
必死に欠伸を噛み殺そうとしている社の側に、アキラが近づいてきた。
「眠そうだね?」
そう言った後で、さらに小さく囁く。
「進藤に知られたら……」
背筋に悪寒が走った。わかっている。アキラも怖いが、何よりヒカルが傷つくようなことは
したくない。何が何でも耐えてみせる。就寝時間まで、あと十二時間足らず。がんばろう。
気合いを入れたところで、ヒカルと目があった。ニコッと笑いかけられて、身体中の
血液が沸騰した。力が漲るようだ。やっぱり、ヒカルは太陽だ。
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