白と黒の宴4 39 - 40
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殴ってやりたい。その取り澄ました顔を泣きっ面に変えてやりたい。
思わずそんな衝動が社の中に走った。
一言も発っせず、鋭い目付きで冷たく見下ろして来る社にようやくアキラも危機感を
感じたようだった。
「…悪かった…社、…ボクはどうかして…」
僅かにアキラが身を引き、後ろに動こうとした。
次の瞬間には社はアキラに飛びかかるようにして体をベッドの上に押し倒していた。
「!やし…」
アキラの躯の上に覆いかぶさり、首を押さえ付けてもう片手を握りしめ、振り上げた。
社の形相と勢いに観念するようにアキラが目を閉じた。
アキラに対する怒りで全身が震えて血が沸き立つような感覚に襲われていた。
だが、拳を振り下ろす事は社には出来なかった。
どんな雄もアキラによってこうして狂わされてしまう。
あの緒方もおそらくそうだったに違いない。そうでなければ大阪までわざわざ忠告しに
来るはずがない。
いい年をした二冠のタイトルホルダーさえこの魔性の少年に振り回されているのだ。
(…かなわん…こいつには…)
両手でアキラの顔を抑え直して包むとしばらくその頬を撫で、そっと唇を重ねた。
最初は優しく、そして次第に激しく貪る。間もなく互いに熱い呼気が漏れはじめる。
「…誘ったのはそっちや…わかっとるやろうな…」
確認するような社の言葉にアキラは目を伏せて微かに頷いた。
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数分後にはベッドを激しく軋ませて2人は深く繋がり、くぐもった吐息で肌を合わせていた。
「う…ん…っ」
片膝を胸近くまで持ち上げられ、社の体の下でアキラは目を閉じて身を任せきっていた。
アキラの中の深い部分で社の硬い楔が激しく動いてアキラの内臓を揺さぶっていた。
その前面でアキラ自身は痛々しい程に社の手によって握られ、根元を締め上げられていた。
「ん…っ、ん…」
どちらかと言えば苦痛に歪ませられた表情でアキラは呟く。
社が服を引き剥がした時アキラ自身は既に熱く脈打ち張り上がっていた。
その根元は一度剃り取られた毛頭がまばらに伸びて指で触れるとざらついていた。
しばらくそこを撫で回し、奥へと指を運ぶとアキラの内部への入り口も火口のように熱を持って
膨れていた。
社は前戯もほとんどないまま自分を押し当て一気に深部に押し入った。
経験からアキラはその時点で弾ける可能性があったので、アキラのモノの根元をしっかり
指で握り込んでそれを制した。
「うあ…っ」
アキラが社のその手を振払おうと抵抗らしき動きをしたのはその一瞬だった。
社と同様にアキラも相当なものを溜め込み抱えていた。それが爆発する寸前なのは
明らかだったが社はあえてそれをさせなかった。
「…そこまで…都合良くはさせへんで…」
射精する事は許されなかったが、社が一気に押し入った瞬間にそれと同等の感触がアキラの
体内を走り抜けたのは確かだった。高く呼気が混じった悲鳴がアキラの喉から漏れた。
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