Birtday Night 4
(4)
とりあえず進藤を家に上げる。
玄関の戸を閉めて、暖房をきかせたボクの部屋に連れて行った。
「はぁ…まだ身体が震えてるぜ」
部屋に入ってコートを脱いだ進藤は<両腕で自分の身体を抱きしめるような格好をする。
よっぽど寒かったのだろう。
そんな進藤に、ボクは気になっていたことを口にした。
「――進藤、今日は名古屋で対局だったんだろう。一泊して明日帰ってくればよかったのに」
てっきり、その予定だと思っていたから、本当に驚いた。
まさか、今日、彼に会えるとは夢にも思わなかったから。
すると進藤は、
「…ばぁか、明日じゃ意味ねぇだろ」
それから、優しい目になって、
「おまえの誕生日は今日なんだからさ」
――覚えていてくれたんだ。
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