検討編 4
(4)
半開きのドアから入り込む蛍光灯の光で室内は半分だけ明るい。
ヒカルの背後から射す光がアキラの顔に影を落とし、アキラからはヒカルの表情が良く見えず、
少しだけ不安を感じた。それでも抗えずにいると、またヒカルが顔を寄せてくる。
柔らかく重ねられた唇から、おずおずと探るようにヒカルの舌がアキラの唇に触れた。
熱く濡れた感触に思わずきゅっと目をつぶりながらも、そっと自分の舌を差し出す。
舌先が触れ合った瞬間に、体中に電流が走ったような気がした。
膝が小さく震えている。身体に力が入らない。
それでもこの未知の感触をもっと味わいたい。
ヒカルの舌が小さく開かれたアキラの唇の中に侵入する。
口内を探るように動くヒカルに、自分の舌を絡めあわせ、もっとヒカルを感じとろうとする。
耐え切れずに、アキラの膝がかくりと崩れた。
咄嗟にアキラはヒカルの肩にしがみ付き、ヒカルの腕がアキラの腰を支えた。
見上げる瞳は涙に潤み、軽く開かれた唇からは荒い息が漏れ、そして紅く濡れて光っている。
胸がつまって、目の奥が熱くなるのを感じながら、ヒカルは強くアキラを抱きしめた。
耳元にアキラの吐息を感じる。目の前にある頬に唇を落とすと、腕の中で彼が小さく身じろぎする。
その反応に心が震えるほど感動して、そのまま唇を首筋へと滑らす。
そうしながら、手はアキラの身体を確かめるように動く。
もっともっとアキラを感じ取りたくて、ヒカルの手がセーターの中に潜り込む。
それでもシャツがジャマだ。これじゃわからない。
シャツの裾をズボンから引きずり出して、ヒカルはその中に手を侵入させた。
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